→NOT ODAYAKA!

おだやかじゃなかった備忘録

偶像崇拝のカウンターとしての騎咲レイの誓い!

アイカツスターズ!第80話「騎咲レイの誓い!」がなんまら良かったので書く。

 

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「騎咲レイの誓い!」では ”アイドル騎咲レイ”の目的はファンや自分のためにあらずエルザのためにあるという女児向けアニメではおよそ語られない様なテーマをぶち込んできたわけだけど、七倉(私の夢はゆめちゃんと共にある)小春ちゃんの在り方といいアイカツスターズ!というアニメはアニメ的なお約束から逸脱した本当にキャラクターの感情に誠実なアニメだと思います。

 

ファンとアイドルの在り方についてデリケートなテーマを扱った本話でしたが騎咲レイなりにファンへの筋を通したステージだったことは言及しておきたいです。

これはシューティングスターとして数年ぶりの復活ステージではなく”アイドル騎咲レイ”としてのステージだった。

もちろん噂を聞きつけたシューティングスターのファンも海を越えやって来ていた訳だがそれはファンの都合でしかない。新人アイドルとして彼女はステージ冒頭で”アイドル 騎咲レイ” としての所信表明を行っておりそれを受けて見限るか応援するかはファンの勝手である。 これまでファンに支えられ活動してきたアイドルが急にたった一人の為に歌いますとか言いだしたら暴動必死だが、きちんと筋を通した騎咲レイには好意的に受け止められアイカツランキング(死語)5位にまで登り詰めた。

”アイドル 騎咲レイ”はアイドルである前にエルザ フォルテに惚れ込んだ ”私人” であるという表明のための第80話であった。

 

 

”私人”としてのアイドルキャラクター

面白かったのが ”エルザのために” という表明により嵐の様に騒めく観客に向かってレイが 「キミたちは嵐に立ち向かったことがあるかい?」と問う場面だ。

これは実際に困難に対峙する当事者(アイドル)と傍観者(ファン)との絶対的な隔たりを含ませた問いと受け取れる。

アイドルがファンのためのステージと言及することは勿論素晴らしい心構えでありレイは四ツ星2年生組がそうであるというスタンスの違いを確認しに四ツ星に訪れていたが、アイドルの個人的な想いももちろん尊重されてしかるべきである。

80話は実際の困難に対峙し努力してきたアイドルの私情について掘り下げされた稀有な回であったように思う。

 

 

アイドルアニメ偶像崇拝へのカウンター

全てのジャンルに通ずる所だけど何か偉そうなファンやオタクっているじゃないですか?

金を払ってやってる、存在を周知してやってるみたいな

でもね、「ファンのために尽くせ」みたいな言及はファン側からは絶対に言っちゃいけない言葉。そのアニメやアイドルの筋の通し方、在り方に納得がいかなかったらさっさと離れるべき。

アニメとアイドルって理想の押しつけというか偶像崇拝の気が強いと感じるジャンルであり特にアイドルアニメなんて最たるものじゃないですか。視聴者に向かって媚を売り続ける虚無アニメを許すな!(それはそれとして楽しめればいいんだけどね)

 

そんな偶像崇拝の象徴たるアイドルアニメのキャラクターも複雑な感情を持つ私人でありそれぞれの感情を抱きながら生きている。自分を輝かせるために進み続けろと語りかけてくれているのがアイカツ!でありそれぞれの在り方について更にブラッシュアップをかけたのがアイカツスターズ!の大きな特色になっていると思う。

レイからの問いかけにドキッとしてしまった我々はやっぱり自分の仕事(役割)を頑張るしかないんだよ。