今日も穏やか

Not that it is NOT ODAYAKA

ゆずっとリリィ☆とアイカツスターズ !に宛てて - Theses suns -

まず本稿の要旨

 

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ゆ"ずっと"リリィ☆

 

 

 

アイカツスターズ !概要

 以前にも書いたことですがアイカツスターズ!のテーマ性がもっとも込められた楽曲は

「 episode Solo」と「Jewel Star Friendship☆」であると思う。

孤独をおそれない 女の子がいる
おんなじ勇気をもってる 仲間がいる
episode Solo
集まったら good collaboration
最強のLIVE

『episode Solo』

ステージの上はひとり だけど孤独じゃないね
いつも、いつも、感じているよ 存在がうれしいの

(〜)

光の行方に 目をこらしながら探す
たくさんの笑顔に会えますように
この日々を未来に 永遠(とわ)へと続く一歩に 輝きをかさねてく

『Jewel Star Friendship☆』

 所謂孤独をおそれない女の子の"複数形"でアイカツスター"ズ "!という最強の物語群になるということは、この作品が個人に焦点を絞ったエピソード(輝き)をかさね続けてきたことを振り返れば分かるかと思います。

 

アイカツスターズ !とユニット関係

アイカツ!におけるチーム関係性といえばパートナーズカップ、トゥインクルスターカップ、ユニットカップ、大スターライト学園祭等で扱われたユニット関係に由来するのもがほとんどであったし、アイドルとデザイナーの関係性も一種のユニット的な関係といえるでしょう

 それに対してアイカツスターズ!という作品はユニットの様な目に見える関係性、に拠らない人間模様を描き続けてきた。

いくつか挙げてみると

「 POPCORN DREAMING♪」ゆめロラ

「みつばちのキス」ゆめロラ・まひロラ

「Summer Tears Diary」まひ夜空

「One Step」SKY-GIRL・ゆずこしょう

「アニマルカーニバル」ゆずリリ(42話準拠)

「ハッピー☆パンチ」ゆめあこ

「おやすみメリー」きらあこ

「Message of a Rainbow」ゆめこは

 Message of a Rainbowだけ後述しますがきらあこも正式なユニット活動ではないし(きららはまた海外に飛んだし)いずれもその時々で高め合うために必要な限定的な集まりであり、継続的なユニット活動については徹底的に避けてきました。アイドルとデザイナーの関係性についてもアイカツスターズ !においてはアイカツ!で描かれた様な共同作業というよりデザイナーはアイドルの想いをデザインに落とし込むことが役割で、重要視されたのはアイドル個人の作家性でありドレスデザインもまた孤独な闘いであるというエピソードソロ性に準拠する物語構造になっていました。

 そしてそこまで徹底的にアイカツ!準拠の関係性を避け遠回りしてきたからこそミューズとトップデザイナーが手を取り合ってひとつの作品を作り上げるというアイカツ!性に回帰した、「Message of a Rainbow」におけるゆめと小春の関係性こそがアイカツスターズ !におけるユニット関係の到達点の様に思えました。

 しかしそれもこれもアイカツスターズ !98話「ゆずっとリリィ☆」以前のお話である。

 

アイカツスターズ !第98話「ゆずっとリリィ☆」

[脚本:成田良美/絵コンテ・演出: 中島大輔/作画監督:前澤弘美、中野彰子西島加奈]

 所謂神回である

 以下名セリフ抜粋

助ける為じゃないよ ゆずがリリエンヌといたいんだ 

やっぱりリリエンヌはすごいよ
いつも見てる景色なのにリリエンヌと見るとすっごく綺麗に見えるよ

ゆずのハートが叫ぶんだ
リリエンヌといたいって

わたしは身に余るほどの夢を叶えました
これ以上望んでもいいものでしょうか

アイカツスターズ !第98話「ゆずっとリリィ☆」

 

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ゆず様海外行きを蹴ってリリエンヌとずっともだよ!エンドは自分も妄想していて解釈の完全一致だったわけですがまさかプロポーズ結婚エンドとはおどろいたゾ☆

 ゆず様って本当にふざけてる時と真面目なことを言ってるのを誤魔化す時 語尾にゾ☆をつけるんですけど、上記引用セリフは誤魔化しなしのガチガチのガチな訳で流石の白銀リリィもただプロポーズを受け入れる乙女になってしまうんですよね…

 

 

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(第63話「ツンドラから吹く熱い風」ステージ前の「歌ってくれる?リリエンヌ」もヤバかったよね…)

 

月と太陽

 ここまで書いてきた方通りアイカツスターズ !ではユニットの様な目に見える関係より物理的距離が離れていても感じる存在や離れていた時間の中で育まれた関係性についてこそ描いてきました。

  • 第15話「月と太陽」で香澄姉妹が通じ合った心はS4決定戦や夜空がイタリアに飛んでからもずっと繋がっていること
  • 劇場版アイカツスターズ!や第16話「ミラクル☆バトンタッチ」、第29話「本当のライバル」等々通じ合っては離れ、しかし離れている間も相手を想い合うゆめとローラのライバル関係
  • 転校により伝えられなかった互いの想いは離れ離れになっている間に育まれ、再開後また遠回りしたものの気持ちを確かめ合ってレインボーベリーパルフェをつくりあげたことゆめと小春

 互いにとって高め合える存在を目指してきたアイカツスターズ!の関係性ですが最大の目標であるS4の理念というのはアイカツ界を照らす夜の道しるべとなること(月や星座の隠喩と考えられる)であり、アニメ本編文脈外ですがDCDにて星のツバサ編のキャラクターには夜の道しるべではなく昼に輝く太陽のドレスが与えられることに着地しました。虹野ゆめが「みんなで輝く!」と反復してきたように互いにとっての太陽となる事(Theses suns)こそ26代目S4世代が積み重ねてきたことであり星のツバサ編の総決算だといえます。特にゆずとリリィが互いにとって太陽であるという関係性は第42話「幼なじみのふたり」や第88話「お正月だゾ☆全員集合!」などで反復され続けてきました。

 夜の道しるべである月と真昼を照らす太陽の質の違いといいますか、夜空の星は手の届くか分からない夢みたいな指針であり空想的・概念的なもの、昼の太陽は生活に不可欠な現実的なもの、みたいに区分できるのではとわたしは考えます。

 二階堂ゆずは何が待ってるからわからない未知へと続く夢(世界進出)よりこれまでの生活の中で必要だったものを確認すること、ある意味退行すること(夢よりも現実を優先すること)で自分に本当に必要なものを見出すための「ゆずっとリリィ☆」であったように思いますし、これまで目に見える繋がりに拠らない人間模様を描き続けてきたアイカツスターズ!の最終盤に宛てて最高のユニット結成回をぶち込んできたのが本当にかけがえのない積み重ねの成果だと思うわけです。

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(ある意味退行的な下手側への動き)

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 (だからこそ"一緒に"見れる景色があった)

 

リリィとエルザとエルザビーフ

アイカツスターズ !において誰よりも見果てぬ夢に想いを馳せて人物といえば

【Dreaming bird】の白銀リリィと

【Forever Dream】のエルザ フォルテだと考えます

 代表曲にも表れている様に二人とも見果てぬ夢、永遠性、概念的なものを誰よりも志向していた人物だと思うからです

[リリィとエルザ対比論はこちら進むリリィと動かぬエルザ アイカツスターズ!星のツバサ概論 - パンがないなら作ってやるわ

  エルザ フォルテが本当に欲していたものが太陽のドレスや世界一のアイドルという概念的な夢でなく、母の愛と大切な仲間たちだったこと

 白銀リリィが本編中の最後に叶えた身に余るほどの夢が「ゆずっとリリィ☆」結成であったこと

 もっとも概念的な夢を志向していたふたりが共に、自身が手に入れていた現実的な成果を確認し心の荷を仲間と分け合うに至る流れが本当に美しいですし、私がアイカツスターズ !という作品を特別に思う根拠はこういうところに詰まっていたのだと思います

 見果てぬ夢から互いの太陽になるという現実に帰結したアイドルたちが、物語の最後に白鳥ひめの「夜のスタートライン」によってまた新しい夢を追いかけはじめ孤独をおそれない女の子の物語は終わらない、というのがアイカツスターズ!という物語なんだと思います。

 

 

最後にエルザビーフについて言及しなくてはなりません

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 第98話の最後にエルザビーフが登場したのは何もハルカ☆ルカ最後の渾身ギャグで炎上するため"だけ"ではありません

 

 太陽のドレスという夢を志向し続けたエルザ フォルテには常に食事の描写がつきまとっていました。食事、食肉という極めて現実的な行為は他の命に生かされているという人間的な問題を強調する描写でありましたし、太陽のドレスに固執しすぎて道を見失いそうだった時もエルザ フォルテが常に現実に生きる人間であるということを示唆していたわけです。

(最終トーナメントに残れず引き篭もるきららに、食肉し現実に生きることを諭すことが出来たのは他ならぬエルザでした)

 

 だからこそ同じような夢を志向していた白銀リリィとエルザ フォルテとエルザビーフが交わった第98話のラストがどうしようもなく美しいラストであったのだという雑な言及を強調して本稿を締めたいと思います。