→NOT ODAYAKA!

おだやかじゃなかった備忘録

アイカツ!シリーズ5thフェスティバル‼︎DAY2に捧ぐ『人生/ 書物/ 叫ぶ、瞬間』

2018.9.9 宵の口 幕張メッセイベントホール、

登壇者最後のあいさつを任された諸星すみれさんが客席で娘の姿を見守っていた母へ贈った言葉に、会場はその日最高の愛に包まれた。

「お母さん、産んでくれてありがとう」

 

アイカツとは一体なんだろうか?

筆者が考えを巡らせていた概念が諸星すみれさんの言葉によっていよいよ実感を伴って浮かびあがってきた……

──アイカツとは人生──

 

 

人生

深夜アニメ以外にもディズニー作品の吹き替えや女優業など、幅広く活躍する今をときめく声優のひとりに成長された諸星すみれさんであるが、アイカツが彼女の芸能人生にもたらした影響はあまりに大きく、間違いなく彼女をもっとも代表する作品になった。 

彼女が挨拶で母と生への感謝を述べたのは、麻痺を伴って生まれてきた生い立ちとそれを支えて克服されてくれた家族への感謝が溢れたのだろう。

右半身まひを克服した諸星すみれ/芸能ショナイ業務話 - SANSPO.COM(サンスポ)

 そしてその感謝を自身を代表作する舞台上、笑顔で報告されたことは最大の親孝行であるし、そのような空気が自然に出来上がるほど、5thフェスの2日間は"愛で溢れている"空間であった。

ひとつタイムリーな話をすると5thの数日後に声優の能登麻美子さん(アイカツでは星宮りんご役)が結婚&妊娠を発表された。(おめでとうございます)この5thでは当日の登壇が叶わない主要キャストの皆さんも場内アナウンスによって出演する粋な演出がなされていたが、おそらく主要キャストでは星宮りんごだけ登場がなかった(ティアラ学園長ごめんなさい)。しかしそれだけの事情があったのだと思います。

なんだかタイミング的に人生の転機みたいなものについて考えさせられましたし、こうして新たな物語が紡がれていく営みがうれしくなりました。

ちなみに5thでは能登さんの新録はなかったですがイベント最初の映像が、

「持ち替えるのよ、おしゃもじをマイクに」

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だったんですよね。改めておめでとうございます。

脱線しましたがアイカツをやっていくということは人生をやっていくってことになると思うんですよ。

詳しくは次の項に続きます。

 

書物

DAY2も痺れるライブの数々でしたが白銀リリィガチ勢で知られる筆者が一番痺れてしまったのはアイカツスターズ!の生アフレコの新規オリジナルシナリオ。

ええ……所謂"ゆずリリ"です。

 前後の詳しい文脈は記憶がヒートして曖昧なのでわかりかねますが、ゆずリリがビーチで二人きり佇むシーン、リリィがゆずに向けてヘルマン・ヘッセのある詩を引用しました。

「書物」

この世のどんな書物も
君に幸福をもたらしはしない
けれども書物はひそかに君をさとして
君自身の中へ立ち返らせる

 

"そこには太陽も星も月も
君の必要とするいっさいがある
君が求めている光は
君自身の中に宿っているのだから"

 

君が長い間
万巻の本の中に求めた知恵は
今どのページからも光っている―
なぜなら
今その知恵は君のものとなっているから

 実際に引用された部分は" "で囲った部分だけだったかと思いますが、全文とても大切なことを表しているので読んでみてください。

これを実際に聴いた時、"アイカツスターズ!そのもの"を表しているなと感動したし、帰ってから全文を読んでアイカツと人生との関係そのものを表しているなと思いました。

 

少しヒリつくかもしれない話をさせて頂くと、田所あずささんが「アイカツ!を見ておけば幸せになれる」と仰ってる画像を無邪気に引用して尊んでいるオタクがいるじゃあないですか?

それは勿論インターネット遊びのひとつなんだけど、それが"あたかも本質であるかのように振舞い、アイカツは癒しだと本気で吹聴する層"は実在します。

これは"引用の取り扱い"に関する話でもあるのですが、田所あずささんがお子さんにアイカツの素晴らしさを伝えたいという文脈を無視して、クソオタクがそのまま引用することに意味はないと思います。

自分と伝えたい誰かとの文脈を汲まずに引用してしまう行為は雑。とっても雑です、ほよ〜。

確かにアイカツを見ている間の時間だけは幸福感に包まれているかもしれないが、それは本質的な幸せではないし"癒し"でしかないよね。

(別にアイカツの本質を癒しと捉えるのはその人の勝手だからいいんだけど、"アイカツの本質は癒しだと吹聴する行為"が許せない類の解釈違いなのでこうやって指摘している)

 

ここらへんでヘッセの「書物」に"立ち返り"ます。

アイカツを見ている間はポジティブな気持ちに溢れてなんでも出来そうな気にもなれるかもしれませんが、現実の世界を変えられるのは自分自身しかいないんです。

なりたい自分になる、という勇気の一歩を踏み出すのは他ならぬ自分自身の意思であるということは、皆さんアイカツから学ばれてきたかと思います。

アイカツ

この世のどんなアイカツ
君に幸福をもたらしはしない
けれどもアイカツはひそかに君をさとして
君自身の中へ立ち返らせる

 

そこには太陽も星も月も
君の必要とするいっさいがある
君が求めている光は
君自身の中に宿っているのだから

 

君が長い間
本編や関連書籍、楽曲、ライブに求めた知恵は
今どのページからも光っている―
なぜなら
今その知恵は君のものとなっているから

引用の使い手白銀リリィが迷える桜庭ローラを温泉旅行に誘い最後、"自分の言葉"で諭すことが出来たのは引用を駆使しながらも自分の言葉を探し続けることが出来る人物だからです。

 筆者にとってはアイカツが一番星なのでこのような引用(パロディ)になりましたが、「"書物"」の中に入るものはその人の一番大切にしている概念だったら何だって構わないし、その"書物"を参考し引用しながら自分の言葉や意思を探し、よりよい人生へ立ち返っていくことにこそ意味がありその軌跡のことをアイカツと呼べるのかもしれません。

これが序盤に述べた、

──アイカツとは人生──、論です【完】

 

5thフェスの出演者がみな輝いて見えたのはそれぞれがアイカツ(仕事、好きなこと、人生)をセルフプロデュース→実践し、アイカツを"体現"してきた人たちなんだからだと思います。

(役者という仕事自体キャラクターを自らの中に立ち返えらせ、体現していくものなのでアイカツとの相性がよい)

 

"体現"という言葉が出てきたので最後の項に移ります。

 

 

叫ぶ、瞬間

(oh oh oh・・・)

 

イベントの最後の挨拶の際、松岡ななせは言いました。

今まで声優さんと二人三脚や四人六脚で支えてきたキャラクターをこのステージで"具現化"出来たことがうれしいです。ありがとうございました。

補足までに、松岡ななせさんは白銀リリィ・七倉小春他多数のキャラクターの歌唱を担当されている方。ちなみに上記はうろ覚えかつ綺麗な感じに脚色しているので実際の挨拶は結構テンパってました(かわいい)。

 私は"体言"という言葉を好んで使ってきましたが、それにしても"具現化"とは上手く表現されたものです。

例えばこの日の「Dreaming bird」は衣装とすらっとしたスタイルに至るまで完璧にゴシックの世界観を表していた上田麗奈さんが松岡ななせと交わることにより、より荘厳なゴシック世界観を具現化させていましたし、「Precious」を歌唱担当ささかまりすこ"ちゃん"と一緒に歌われた寿美奈子さんは作品を一緒に形作っていった歌唱担当さんと一緒に歌うことを条件としてステージに上がられたとブログに綴られていました。

ソロで「薄紅デイトリッパー」を披露された関根明良さんがステージで使っていた扇子は、歌唱担当美谷れみさんがこれまでのアイカツのライブで実際に使われていたものであり、一緒に舞台に立てて感激でしたと歌唱担当へのリスペクトを綴られていました。

 

そして富田美優さん、山口愛さん、堀越せなさん、松岡ななせさんによる「Message of a Rainbow」。

"MoaR6人概念"

 

この5thがはじまるまでは歌唱担当やライブパートの扱いがどうなるのか?雑な扱いになるのではないか?と疑心暗鬼の気持ちがまあまあ強かったのですが、蓋を開けてみればキャストの方々がアイカツ愛やキャラクターを共に具現化してきた歌唱担当へのリスペクトに溢れていて、尚且つ素晴らしいサプライズライブの数々に、

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となったわけです。

正直この大舞台で少しでも歌唱担当へのリスペクトが伝わってきたらいいなくらいの低いハードルだったのですが、"震えるような高みへと、夢は夢を超えて"いってしまったわけです。

 

だってねぇ…9.9は遠藤るかさんの誕生日当日だったわけですが出演者からのサプライズで、「ハッピバースデーディア るかちゃん」の大合唱までやったんですよ……浄化するかと思いました……

 

 

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ここで唐突に宣伝ですが、個人のアイドル活動!に勤しまれている各元歌唱担当さんの生誕イベがここのところ続いておりまして、この記事をアップした後だと9.28(金)は新宿BLAZEにて『遠藤瑠香による遠藤瑠香のための遠藤瑠香生誕祭2018 in TOKYO』(MC:未来みき、ゲスト:藤城リエ)

https://www.quartet-online.net/ticket/rukakikaku20180928

10.12(金)はTSUTAYA O-EAST(渋谷)にて松岡ななせ/藤城リエ合同イベント『遅れてきた生誕祭!?』

中田裕二 Lコード:75678|ローチケ[ローソンチケット] コンサートチケット情報・販売・予約

が開催されます。

どちらもライブ多めのトークショーイベントみたいな雰囲気になるかと思われます。狭い地下ステージとかではなくキャパに余裕があるのでご新規さんも参加しやすいイベントになるかと思います。特に『遅れてきた生誕祭!?』の方はロックな駆け出しアイドルがとんでもなく広い会場を押さえてしまい相当の余裕があるかと思いますので、是非是非よろしくお願いします。多分かわいい〜ってなると思うよ(^人^)

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さて、全然叫ぶ気配にならないのでそろそろ「Girls be ambitious!」の話に移りましょう。

"叫ぶ、瞬間"

とはGirls be ambitious!の歌詞に登場する表現であり、これを書いている時点でのアイカツフレンズ最新第23話のサブタイトルにも使われている素敵詩的表現です。

 Girls be ambitious!フルの披露はアイカツフレンズサイドのサプライズのひとつで、やはり美山加恋さん可憐すぎました。ちなみに出来るオタクはりょ。りょ。よいしょと次の曲に備えて黄色のペンライトの準備していたのですがそれはありませんでした。

 松永あかね、木戸衣吹、わか、るか、せな、りえで披露された『ありがと⇄大丈夫』も歌唱担当制の枠組みを飛び越えた夢のコラボレーションで、松永あかねさんがわか様からアイドルジャンプ(ハートがスキップ リズムPomPom ポップジャンプのアレもしくはアイカツ2期のイキービジュのいちご)を教えてもらったというエピソードも新たなSHINING LINE*概念のはじまりのように思えました。

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 しかし、翻せば松永あかねさんと二ノ宮ゆいさんは新披露の曲はなかったということです。

 AIKATSU☆STARS!さんのクオリティと展開の早さに慣れていた身としては正直「おけまる」も「みんなみんな!」 も来ないのかーと思ってしまったのですが、冷静に考えると現役高校二年生が学業と両立しながら声優デビューするという生活に慣れるだけでも大変なことなのに、その上ライブステージの準備までとはなかなかいかないでしょう……

 だからこそ、この日みれなかったステージを次の機会はみたい。彼女たちの成長の目撃者になりたいと強く思いました。(アニメJAM2018は行きません、ごめんなさい)

 

 さて、これらの想像を超えたサプライズの多くをみてやはりライブをLiveで感じたいという気持ちを固めた筆者でありますが、「Girls be ambitious!」の歌詞にもある通り、

"舞台では 何だってできる 叫ぶような 瞬間を待ってる"

そう、舞台では何でも起こりうるし理性を超えて叫ぶような瞬間だって起こりうる。

 

5thフェスを締めくくる最後の掛け声

せーので、

「アイカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーツ」

は"ほぼ6周年"の万感の思いが込められた"叫び"になりました。

こうやってまた"舞台の上で叫ぶような瞬間"に立ち合いたいし、

多分これで終わりだなんて誰も考えないくらい

アイカツは常に"未来向きの今"をみせ続けてくれたし、

これからの10thや600thに向けて、

"サヨナラはいらない ずっとずっと…アイカツ!"

 

"Have a nice trip!!

Nice to meet you 旅に出よう

Nice to meet you 今からここから旅に出よう"

 

それぞれの物語・それぞれのアイカツをはじめて行かなければいけないと思っているし、

個人的にはアイカツに関わった人たちやアイカツフレンズの現場にも足を運んで、

 

"世界でひとつの 物語に立ち会えるキセキ
ページをめくるたびに 新しいキミと会える"

したいなと思っています。

 

"どこまで行けるか、なんて

どこまで行って みたいか次第でしょ"

 

"この出会いに、ありがとう"

 

"大好きって気持ちが動かす 世界にアイを

              アイドル活動!"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(遅れてきた生誕祭!?でお会いしましょう笑)