おだやかじゃねえ

Not that it is NOT ODAYAKA

松岡ななせ『 →Go ahead!』未来向きの→レヴュー!✨

概要:全国流通がはじまった松岡ななせのオリジナルCDをアイカツオタクに聴いてもらいたいのと、偶然的にCDを手にした方々が彼女とアイカツとの文脈に触れてもらうための、レヴュー✨

『→Go ahead!』をスタァライト、しちゃいます!

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 ※便宜上断定系で話したりもするが、本文は解説の類ではなく解釈に過ぎないのであしからず

 

 

 

 

自問自答と成長のレヴュー

revue song『→Go ahead!』

作詞家の安藤紗々氏曰く自問自答と成長

『→Go ahead!』というタイトルはCDの表題作にもなっていることから、個人活動がはじまり一旦の休止期間に入る彼女が現時点で一番伝えたかったテーマだと受け取れる。

松岡ななせの決意表明。

アイカツへのモチーフが散りばめられた『→Go ahead!』と『Vintage』は、アイカツという同じ夢を分かち合った仲間たちに向けられた、これまでとこれからを表明するための2部作のように捉えている。

これからの決意表明の『→Go ahead!』

→→→

 

"果てのない旅"から始まる『→Go ahead!』のイントロはどこか退廃的な雰囲気に満ちており、それこそ『荒野の奇跡』の世界観にも繋がっているかのようだ。

アイカツの歌唱担当という仕事はその便宜上、個人の感情を表に出す機会は限られており、それこそ昔は個人のSNS運用にも厳しいコンプライアンスが課せられていた。(シリーズがスターズ!になってからはコンプラが緩くなりラジオ等で自由に語れる機会が増えたのはよかった)

 

アイドルとは太陽の様な存在だと思うと以前語っていた彼女は、SNS上でネガティブな感情を曝け出すことに細心の注意を払っているし、なによりステージに上がっている間はポジティブな面を見せ続けてきた。

だからこそ、先日の遅れてきた生誕祭!?にてUVERworldの『PRAYING RUN』等ネガティブな面も含ませた剥き出しの感情を見せてくれたのに驚いたし、

"夢中になればなるほど苦しくなる"や

"誰かのために選んだ趣味じゃない言葉や"など、

彼女の剥き出しの感情が詰まっているのに驚いた。

歌詞があまりにも剥き出しで強いのですべて拾っていきたいくらいだが、特に間奏コーラスの部分に注目したい。

 

I pray to given a chance.

(私は祈る、チャンスを与えてと)

Landscape said "you already have it!"

(世界はいう、"きみは既にそれを手にしている)

I can’t stay here,go ahead!

(私はここにとどまるのことはできない、進め!)

 

自問自答と成長が凝縮された歌詞、その上で作品を通しての松岡ななせの決意表明→Go ahead!に繋がるエモーション。

冒頭で楽曲の雰囲気が『荒野の奇跡』の世界観に繋がるものがあると書いたが、

 "you already have it!"

悲観的な現実の中でも"必要なものは既に手の中にある"と進んでいく決意表明は、

彼女が歌唱を担当した白銀リリィの最大のモチーフにもなっている『Dreaming bird』の、

"この手のひらに残されたもので何が出来るかを見届けていかなくちゃ"

の翻訳であると言えるし、それは『荒野の奇跡』の

"抗えぬ力に寄り添いながら 傷ついた翼をふるわせながら それでも羽ばたいて わたしは生きる"

でもあるし、『→Go ahead!』も『Dreaming bird』の文脈に属する楽曲になった(と思う)。

 

なにより"you already have it!"の先の歌詞で"鳥"と"ツバサ"が引用されている。

続く道…

ひとつを信じれば空も飛べるのだろう

輝く未来へあの鳥のように翼広げ

 

畏れ多くもアイカツを一言で表すなら、

"未来向きの今 (をキミに見せるね)"

以外ないと思っているが、→Go ahead!もその文脈であるし、矢印や感嘆符まで付与し進んでいくことを明確にする彼女の精神性が好きだし、個人活動の最初の作品にこれだけのものを用意してきた松岡ななせの未来が末恐ろしくさえある。

 

また英語表記ゆえ→Go ahead!を(わたしが)進む!、とも(キミは)進め!とも受け取れる含みを持っている。

そんな松岡ななせからの決意表明『→Go ahead!』をキミも受け止めてくれ。

 

 

重ねて美しい思い出のレヴュー

revue song『Vintage』

本作品の推し曲。当方未だ松岡ななせ2nd Live"退屈なんてさせないよっ!"での戸波のわ神コーラスの亡霊。

『→Go ahead!』モチーフのひとつが『Dreaming bird』だとしたら、『Vintage』では『ロンリー・グラヴィティ』を挙げるべきだろう。

 

安藤紗々氏曰く重ねて美しい思い出

歌詞をみれば、アイカツと活動を共にした仲間たちに向けられた曲ということが痛いほど伝わってくるし、特に2番の歌詞は完全にロンリー・グラヴィティになっている。

ふわり無重力

突然の流れ星

あぁサヨナラだね

瞳からStar lights

 

もうね、言い回しが天才かと

 

松岡ななせはAIKATSU GENERATIONのMVやアイカツ武道館のMCにて『ロンリー・グラヴィティ』の歌詞を引用していた。 

「サヨウナラ」じゃなくて、きっと「マタアシタ」だ。

 

『ロンリー・グラヴィティ』はアイカツを知らない人が聴いても未知との遭遇をモチーフにしたSF的世界観が素敵な楽曲として受け止められるが、アイカツという世界ないし概念との出会いによって軌道(生き方)がズレた私たちアイカツオタクのための、「サヨウナラ」じゃなくて「マタアシタ」までをメタ視点で捉えた楽曲としても受け取れる。

だからアイカツ!(無印)のアニメ放送が終わると分かった時のアイカツオタクに刺さりまくったし、アイカツ武道館で歌唱担当の卒業が決まった時も突き刺さって致命傷。止まりそう、ボクのハートだった。

そしてななせ自身も歌唱担当からの卒業に対してそういう寂しさを感じていたからこそ引用してきたのだと思うし、そういうロングラのモチーフをそのままオリジナル作品に昇華してきたのがほんとに凄いし強い。

 

特に好きなDメロ部分

君に今どうしても伝えたい

あと少しもう少し側にいて

言葉がこの心を超えられないの

 

『Summer Tears Diary』にもリンクするかの様などうしようもないさびしさ

チクリ胸に 刺さったまま
癒えないでほしい 行かないでほしい ねえ
終わりかける 夏の傍で
言葉にならない願いが揺れてる どうか…

 

どれだけ大人ぶってサヨウナラじゃないよと受け入れようとしても、最高の日々への情景が消えることは決してなく、僕らが最高を共有したツアー福岡やアイカツ武道館は戻らないしこれからの人生それらを超えられる日が来るのか分からない。

そんな言葉では超えられない感情を吐露した上で、

そう、明日もその先だって

答えは一つだった

僕らの儚い美しさ

人生のほんの一瞬

夢を分かち合った

忘れないたとえ離れても

君といた星は Vintage

 

アイカツとの思い出、人生の大きな分岐点を、

"人生のほんの一瞬"

だと表し、大切な思い出をこれから先も重ねて美しい思い出に昇華していこう。言葉が超えられない感情を乗り越えていこう。

だって人生はまだまだ続いていくのだから、という精神性が気高くて、大好きです。

 

アイカツスターズ!第33話「迷子のローラ⁉︎」は引用の使い手である白銀リリィが偉人の引用を駆使して桜庭ローラを鼓舞するエピソードだが、最後に送ったアドバイスは自分の言葉だった。

正しい道などどこにもない あるのはただ自分が信じた道だけである。

(それは、誰の言葉なんですか?)

私の言葉です。

 

引用やモチーフから学び自分の言葉を見つけ自分の表現へと昇華させていく、というのは星のツバサ編のテーマでもあったし、アイカツや仲間たちへの想いを引用した上で松岡ななせのこれからを表現してみせた『→Go ahead!』と『Vintage』はほんとに強い。

 

個人のLiveでも"絆"に関する楽曲を多くカバーしていたし『Vintage』に関してはリスフェス名古屋にて歌唱担当の大先輩にあたるMia REGINAと一緒に歌い上げてみせた。どこまでも続く絆を大切にした楽曲だ。

 

『→Go ahead!』の総合プロデューサー兼作編曲ギター演奏者の野崎心平氏や『Vintage』『アンノンフィリング』の作編曲兼ギター演奏者中村純一氏など、製作陣もアイカツからの繋がりの方々との"絆"を感じられる。

 

歌詞は安藤紗々氏だがオリジナル曲の制作にあたり、ななせ自身がどういう想いを込めたいかの明確なイメージを持ち野崎氏や安藤氏に伝えることが出来ていたからこそこのような2曲が生まれたのだと思う。

表現者として好きだった人の作家性や精神性に触れてさらに惚れ込んでしまったのは、上田麗奈『RefRain』以来の衝撃だったし、奇しくも白銀リリィを体現したお二人のそれぞれの作品は星のツバサ的なテーマに迫るとても素晴らしいの世界観を有しているので是非聴いてみてほしい。

アイカツへの想いが込められた前2曲が歌唱担当で多くを担当したクールでロックなイメージになっていたのもアイカツ的な文脈だが、3曲目『アンノンフィリング』では方向性がガラッと変わるので次のレヴューへ。

 

 

未知数で不思議な"らしさ"

revue song『アンノンフィリング』

このCDを手に取るまでは、松岡ななせ1st Live "unknown"で最初のオリジナルとして発表された『アンノンフィリング』がなぜ表題作にならなかったのかという疑問があった。

しかし、前2曲から伝わるアイカツへの想いと、思い出を大切に前に進み続けるという彼女の意思を考えれば表題作に『→Go ahead!』を選んだ理由がよくわかる。

 

前2曲がアイカツに関する想いとこれからの決意表明の曲だとしたら、未知数で不思議な"らしさ"『アンノンフィリング』とは松岡ななせ自身を歌った歌なんだと思う。

 

1st Liveのタイトル"unknown"からもアンノンフィリングはそのまま "unknown feeling"、未知数で不思議ならしさと表すことが出来るがなぜカタカナ表記なのはその意味通り未知数さを歌った曲だからだろう。

 

どこか異国情緒溢れるイントロからはアジアの雑踏な雰囲気が漂ってくるようだ(個人の感想)。

カタカナで表記することによるアンノンフィリングという発音は中国語とも広東語的とも受け取れる可愛らしい印象を与え英語ともカナ語とも取れる、未知の可能性を感じさせる。

また、

カルツォーネの真っ赤なフィリング

私の🖤ね…溢れだしてとまらない

という表現は、フィリング(料理において生地の中に詰めたものを指す)(ex.カレーパンでいうカレー・餃子でいうタネ)とフィーリングを掛け合わせ、松岡ななせという表現者の未知の内面性(真っ赤なトマトソースと真っ赤な❤️)を掛け合わせた言葉遊びだ。

ちなみにカルツォーネはななせの大好物餃子にも似ているのでそこらへんの意匠が込められているとしたら面白い。

※餃子への造詣が深い松岡ななせ氏はLiveのステージ上でギョーザーや手羽先の立ち食いを披露したり、MCで脈絡なく餃子食べたいと叫ぶことがある餃子芸人としても有名である。(誇張表現)

 

歌詞もパワーワードが雑多に行き交う捉えどころのない未知数さを帯びたものに仕上がっているし、

メランコリックは美少女治外法権

稀有な体験まるで近未来来々軒

等々言葉遊びが面白いものになっている中でも、

"SR確定最高でしょ?"とか"プログラムプログレス 焦げちゃうぜCPU"

など、所属事務所DEARSTAGEのお膝元であるジャパニーズ・アキバカルチャーへの影響も濃く感じられるのが面白い。

 

そんな雑多さ未知数さがテーマで歌唱難度も高い本曲を可愛らしく歌い上げる彼女は未知数の存在であるけれどアイドルそのものだし、これからの彼女を表現した『→Go ahead!』という作品の中でクールでカッコいい曲だけでなく、自身のアイドル性を示すシンボルの様なこの曲を最後に持ってきたのがやはり強いし将来性しか感じないし、なんてったってアイドルだし、『→Go ahead!』という作品は未来へ重なるVintageの様な魅力を持った作品になっていくと確信してここまで書いてきました。

 

遅れてきた生誕祭!?では『Vintage』と『アンノンフィリング』を歌わないという攻めの選曲だったが、あの時点で歌いたかった曲が他にそれだけあったということだし、これらのオリジナル曲は休止期間が明けてから何度でも歌っていくよという表れではないでしょうか?

そう思います。

 

そういうわけでこの記事を読んでくれた方が松岡ななせ『→Go ahead!』を手に取り、次現場でお会いできることを楽しみにしています。