→NOT ODAYAKA!

おだやかじゃなかった備忘録

おれたちのアイカツがすっかり変わってしまった…【アイカツプラネット!】

アイカツ新シリーズ発表会にて「アイカツプラネット!」が発表されましたが皆様におかれましては如何でしたでしょうか?

私としてはおれたちのアイカツもすっかり変わっちまったな…という感想です。

まず前提としてメインパートが実写になるそうです。私たちが好きだったこれまでのアニメのアイカツとはまったく違います。キャスト陣もこれまでのアイカツを支えたホリプロやディアステージからスターダスト中心に一新されました。筐体も一新されます。「芸能人はカードが命」という標語からも分かるようにアイカツシリーズはアイカツカードを中心に展開してきましたがこれまでのカードとの互換性は不明ですし、DCDであることは決定しているものの現発表段階でフューチャーされたのは「スイング」という新アイテムだけでありこれまでのアイカツカードを主軸とした展開から差別化が図られるみたいです。これも私たちが好きだったアイカツから違っています。

それらから分かるようにこれまでのシリーズで大切にされていた繋がり「SHINING LINE」を感じられず古参ファンを篩いに掛けるかのような新作発表でありました。

だからはっきりと言いましょう、これはおれたちが好きだったアイカツではないと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───だからこそ嬉しかったんだ。

 

実写ってアイカツか?

「アニメじゃないからアイカツではない」

「これ、アイカツか?」(紫吹キャプ)

言いたいことはよく分かる。今までの作画アニメとCGステージの融合のアイカツが好きだった人にとって突然メインパートは実写ですって言われても戸惑ってしまう。でもそれって私たちが好きだったアニメのアイカツとは違っているってだけの話だ。

「アニメじゃないからアイカツではない」ではなく、

「私が好きだったアイカツではない」だ。

ここを混同した主語の大きい人が散見されるので訂正しておきたかったしそもそも「アイカツ」って何なのだろうね。

確かに私たちはこれまでのアイカツシリーズの事はよく知っていて詳細に語ることが出来ますがこれからのアイカツについては知りません。

冒頭で「フフッヒ」って言わなかったら嫌だなみたいな意見に代表されるように伝統を重んじる事は悪いことではないと思いますが、もし本編冒頭の「フフッヒ」がなくなったとしても「これはアイカツではない」ではなく新しいアイカツに生まれ変わっていくというだけの話です。斧とか崖上りも一緒。白銀リリィがチェーンソーで伝統をぶった斬った時は本当に嬉しかったな。

 

 

「芸能人はカードが命」じゃなかったの?

これは上記とほとんど同じ話。これまでのアイカツアイカツカードを主軸に物語やゲームを展開して来たからといってこれからもそうであるとは限らない。そもそも主人公が芸能人に属するのかも設定的に怪しいし。

そもそも私たち大人は女児向けコンテンツを間借りさせてもらっているだけではじめからメインターゲットではありません。大前提としてアイカツシリーズというIPは女児に向けられたものです

女児向けDCD界はかつて『オシャレ魔女🖤ラブandベリー』が切り開いた畑を『プリティーシリーズ』が再開発していき、『アイカツ』が『プリキュア』に並ぶ女児コンテンツの中心にまで躍り出たという流れがあるかと思います。今でもずっと女児向けコンテンツのトップに君臨し続けるプリキュアと全盛期が2年しか続かなかったアイカツとの違いは何でしょうか。プリキュアはアニメ単体としてみても映画等で高い興行収入を上げられるし毎年リニューアルされる玩具も一定水準以上の収益を上げています。今になって思えばプリキュアは2017年にDCDの展開を終了していました。

それに引き換えアイカツはずっとDCD一極でやってきました。全盛期から少し時期を逃したとはいえ劇場版アイカツ!興行収入10億には全然届かなかったしDCD以外に売れる玩具を生み出すことが出来なかったしそもそもそういう展開をしてこなかった。DCD一極の展開を続けてきた事で女児向けDCDの流行の廃れと共に先細っていくことから逃れられなかったし、そのDCDにしても時世に合わせて新しい展開を生み出していくプリティーシリーズの後追いを続けるばかりで保守的でした。だからこそアイカツ公式Vtuberナナちゃんが登場した時はようやく時代の流れに追いついたかと思いましたがそれもまともに運用出来ず僅か一年で静かに活動終了。そんなことをやっている間にプリチャンではアバターを介して自宅からパフォーマンスするアイドルが登場して衝撃を受けたものです。

アイカツのDCDは先細りの未来しか見えなかったのは熱心な人ほど分かっていたけど保守的なアイカツ運営にそれを一新出来るほどの気概はないだろう、という予想が付いていたので昨今の女児の流行を盛り込んだ今回の発表は本当に驚いたしちゃんと女児に向けられた展開をしているのが分かったのが一番嬉しかったな。

確かにバンナムの新規IP発表の配信番組なんて熱心な大人しかみないのだからスタッフトーク中心に真面目にやるべきだろっていう意見もまっとうだとは思いますが、子供受けの良いフレーズ系の芸人を大量投入したりして子供に向けた面白い番組作りをしようとしていたバンナムの気概を私は支持したいですね。

正直アイカツカードこそコンテンツアイカツの根幹だと思っている人は少なくないと思うのでそういう人たちにとって辛い発表だったと思いますが、これからもアイカツカード一極の展開を続けて先細って行く姿を見続けるよりは大きな一手に打って出たアイカツの選択を私は信じたい。

 

「SHINING LINE」って何ですか?

アイカツのオタクを長く続けていているほど「SHINING LINE」の概念が分からなくなっていく感覚があります。皆の云う「SHINING LINE」って何?

そもそもアイカツの新シリーズが叩かれるというのはこれまでも毎回繰り返してきました。

アイカツスターズ !には『アイカツの優しい世界』がない。こんなのアイカツじゃない」

アイカツフレンズ!では歌唱担当制が廃止された。今まで大切に繋いできた『SHINING LINE』が途切れてしまった」

今回ほど極端な拒否反応ではなかったにせよ同じようなことは繰り返されてきた訳ですし、そもそも人それぞれアイカツの好きな部分や求めているものが違っていて当然で、アイカツスターズが優しい世界じゃないとか歌唱担当制が受け継がれなかった事を許せない人達がいるのは重々承知しているけど、やっぱりそういうのは述べてきた通り「あなたの好きなアイカツではなくなっただけでアイカツではない」とはならないんですよ。

「SHINING LINE」が神崎美月→星宮いちご→大空あかりなどへと受け継がれるアイドル物語系譜の繋がりだったりSTAR☆ANISからAIKATSU☆STARS! に受け継がれた文脈だったり、誰もがみて分かる大切な文脈がアイカツの「SHINING LINE」だってことは私にも分かりますがそれだけじゃないでしょ。歌唱担当の直接的な繋がりだけでなくアイカツフレンズ!主演の松永あかねや二宮ゆいがリアルタイムでアイカツをみて育った世代であったことや、特に熱心にアイカツをみていた逢来りんが憧れの神崎美月の曲をライブでカバーしたみたいな事こそ何事にもかえがたい「SHINING LINE」じゃないのって思います。

アイカツプラネットの主役に抜擢された伊達花彩さんも元々アイカツが大好きでアイドルのスカウトを受けたのはショッピングモールにアイカツ筐体をプレイしに行った時だと言うし財布の中にアイカツ学生証をお守りとして持ち歩いているそうです。それってすごく「SHINING LINE」じゃん。(伊達花彩さんが15歳だと聞いていよいよアイカツ直撃世代の時代がやってきたのかと震えています)

アイカツ」とか「SHINING LINE」の概念ってはっきりと分かる系譜みたいなものだけでなくもっともっと大きいものだと思います。個人的にアイカツの核をひとつ挙げるとしたらやっぱり「START DASH SENSATION」⇨「未来向きに生まれ変わり続けること」でしかないと思うしアイカツシリーズがそこから外れ、生まれ変わることをやめてしまった時はそのIPを掲げるなと私も怒るのでしょう。

アイカツスターズ!の現実的で厳しい世界観もアイカツフレンズ!での歌唱担当制廃止もコンテンツアイカツとして未来に向かって生まれ変わるために必要な措置だったと思いますし、もしその変化を受け入れられないのだとしたらコンテンツから離れるしかない。思い入れのあるコンテンツが自分の望む方向へ進まなかったとしたらそれはとても悲しいことだし虚しさあるいは憤りを抱いても仕方ないと思う。しかしだからといって配信時のコメント欄の荒れ方や公式垢へのクソリプ数など狂っていたし結局おれたちのアイカツみたいな肥大した自意識はそういう所にあるのだと思います。古参アイカツおじさんがおれたちのアイカツがどうこういってる間に虹野ゆめ歌唱担当の堀越せなちゃんが同日発表されたカミズモードやバンナムの新規大型IPの電音部に抜擢され声優になるという夢を、自分のアイカツを羽ばたかせています。

アイカツをリアルに直撃した世代が自分の人生をアイカツにするためにアイドルになったり声優になったりVtuberになって輝いていたりアイカツに影響を受けたクリエイターの作品が増えていく一方で、長年アイカツを支え続けた大人のオタクたちの歪な愛が老害化して新しく生まれ変わろうとしているものに唾を吐きかけているのはちょっと辛いものがある。

受け入れられないものを受け入れる必要は本当になくて、でも思い入れのあるコンテンツから離れるためには悲しくて苦しいけれど自分のためのコンテンツではなくなったことを認めなければならない。そこを認めることが出来ない限りその人は前に進めないと思うから。

アイカツが前に進む事を選んだようにそれを受け取った人々がそれぞれ次のEntranceを選ぶことこそが何よりのアイカツなのだから。

思い出を未来の中に探しに行ったアイドルVtuberの話 / 天秤ひなみとカレンダーガール

 


【アイカツ!カバー】カレンダーガール / わか・ふうり・すなお from STAR☆ANIS

天秤ひなみというアイドルVtuberについてずっと何か書きたいと機会を探っていたのだけど、昨日投稿された最新の歌ってみた動画の文脈があまりにもオタクにぶっ刺さるものだったのでそれを軸にやっていきたいと思う。アイカツ好きやアイドルオタク、個人勢Vtuberなどに関心がある人たちに届けばと思います。

 

 

昔話

むかしむかしインターネッツ王国に3人のカンパニー系バーチャルライバーがおりました。

ひとりは声量オバケの歌うまお姉さん。

ひとりはゲーム全般に造詣の深いゲーマーお姉さん。

ひとりは女児アニ、百合、アイドル現場などに傾倒するピンチケ系アイドル。

カンパニーでの活動を通して仲良くなった3人はコラボでゲームをしたり雑談したりプライベートも含め交流を深めてまいりましたがやがて時は流れ……3人共カンパニーを退社しインターネッツ王国から去っていきました……

そんなこんなあって少し経ったあと、インターネッツ王国にまた新たなバーチャルライバーが誕生しました。

Aq_arium所属の声量オバケの歌うまお姉さん多々星カイリと、個人勢で女児アニ、百合、アイドル現場などに傾倒するピンチケ系アイドル天秤ひなみ。

この天秤ひなみの配信の中では時折多々星さんや大好きなゲーマーの”友達”について言及されることがあるそうな……

 

個人勢Vtuberとセルフプロディース

天秤ひなみというアイドルVtuberの誕生について言及するならまず「アイカツ!」の影響について触れておかなければならないのだけど、本人がその経緯についてブログで語っているのでそれを読んでもらいたい。

173memo.hatenablog.com

アイカツで語られるテーマのひとつにセルフプロディースというものがあって、それは個人勢Vtuberの活動にも大きく関係している。

近年では個人配信の文化が成熟してきて、特にVtuber界隈に関してはインターネッツオタクの流れを汲んでいてメタ的な視点を好むライバーが多い傾向にあると思うので、企業系であろうとある程度上手にセルフプロデュースないしセルフコントロール出来ている人が多い印象があるが、それでも企業系の人は大手を中心に作為的に作られたゲームの流行や配信スタイルや自社を中心としたコラボによって手厚くプロディースされ、大手ほど安定して勝ち馬に乗りやすいシステムというものが構築されている。そしてその反面、自分が本当にやりたいことを押し殺して活動しなければならない機会も多いのだろう。(芸能界やエンタメ自体の性質がそういうものであるのだけど)

だからそういった作為的な流れに乗るのが難しくある意味残酷な自由さを持つ個人勢Vtuberほど、この業界で生き残っていくために自身の強みや時世の流れを汲み取りながらセルフプロデュースしてくことが重要になるしとても難しい部分である。

 

それらを踏まえ上で天秤ひなみのセルフプロディースは本当に上手いと思う。

”アイドル”Vtuberを名乗り自身も重度のドルオタとして活動する天秤のアイドルに対するこだわりはとても強く、それが活動の軸となっている。

定期的にアイカツ歌ってみた動画を投稿したりpixivFANBOXにて自身のオリジナルアイドルグッズを制作販売している。アクリルスタンドにオリジナルTシャツと普通のラインナップに加え、毎月絵柄が異なるランダムチェキ(当たりには直筆サイン入り)を制作販売しているというのはアイドルオタクの需要を抑えた天秤ならではの特色をいえる。(尤もオリTに関しても背面に天秤ひなみのTwitter IDのQRコードがデカデカと印刷された通称アホしか買わんTシャツと呼ばれているが)

 

正直天秤ひなみが今のところVtuber界隈でバズったといえるほどの実績はなかったと思うが、歌枠で特定の年代のオタクに異様に刺さる偏った選曲など、自分が好きなことと自分のオタクが喜ぶことを強く意識したアイドルVtuber活動をやっていて、オタクと良い相互作用の関係を構築出来ているのがとても健康的で推せるなぁと思う。まあ半年ほどニートを続けていることに加え私生活のあまりにも不健康な生活リズムはどないやねんという意見もありますが……

 

 

サブカルオタクと同人活動

そんな天秤ひなみのセルフプロディースの中で個人的に最も特筆すべき出来事は「アイカツ!」シリーズオンリー同人誌即売会「芸能人はカードが命!第21回」へのサークル側での参加だろう。(頒布物へのゲスト参加であり勿論現場で売り子をしたといった類いのものではない)


【芸カ21】GOTHIC History

芸カ21頒布 アイカツ!シリーズのゴシック曲アレンジCD『GOTHIC History』 gothic-history.tumblr.com

01, 硝子ドール - Bright Moonlight mix - /ケヨ&アステカ feat.都会えぬ

02, 荒野の奇跡 - Blue rose noble ver - / ケヨ feat.天秤ひなみ

03, 導かれて -THE LineaGe- / こんどう feat.牧場野みるる

04, Dreaming bird - DnB Rearrange / 山村崎 feat.天秤ひなみ

Illust : AS4KLA NexTone許諾申請作品

アイカツ界隈というものは広いようでとても狭く、この界隈に傾倒しているサブカルオタクの9割は何かしらの形で「アイカツ!」シリーズオンリー同人誌即売会「芸能人はカードが命!」通称”芸カ”を通っているのではと思えるくらい限定的な界隈であり、天秤においてもそこに頭の天辺から足の爪先までどっぷり浸かってきた側のサブカルオタクであった訳だけど、活動開始から2ヶ月くらいで早々にサークル側での参戦が決まった時は僕もひっくり返ってしまった。

このゲストボーカルが決まる以前に同サークル(Thumbelina Studio)の過去アレンジCDのオケの使用許諾を得たうえでアイカツ歌ってみた動画【Trap of Love】を投稿していた縁あっての芸カ参戦だとは思うが、他にも自身の雑談配信のバックで流すアイカツアレンジBGMを推し音楽サークル(アフリカンサマータイム)から許諾を得て使用しているなどサブカルオタクとしてのバイタリティが強すぎて尊敬するし、配信周りの機材整備や歌ってみた動画の音響・イラスト・動画等のクオリティに対する熱意などサブカルオタクとしての強さがそのままアイドルVtuber活動の戦闘力に還元されているっていうのは本当に強みだなぁと思う。

 

 

アイドルVtuberオーラとカレンダーガール

そんな感じで天秤のオタクを続けていた訳だが『GOTHIC History』を超える衝撃なんてそうそうある訳がないので、昨日投稿された最新の歌ってみた動画は曲名だけ確認して軽い気持ちでクリックしてみた。

まず耳に入ってきたのがありえん音質の良さ。前回の歌ってみた動画【prism spiral】からマスタリングをプロに外注していて音が商業レベルでありえん良いというこだわりを見せていたが、今回はそれ以上を目指していたと本人やMixing担当のけよ氏が仰られていたように一聴で分かる音の良さに吹っ飛んでしまった。

アイカツ公式のCDは音圧に魂を売ったクソみたいなマスタリング音質ということで有名だが、この個人勢Vtuberが見せるこだわりの半分でも意識してくれていればと残念でならない。

さて、音の良さに感動するタームがひと段落してからようやく歌い手が一人ではないことに気が付いた僕は動画の説明欄をスクロールしていったところありえん文言が飛び込んで来た。

 ■Vocal

天秤ひなみ

友達☺

多々星カイリ

企業勢である多々星カイリさんとのコラボが実現したことだけでも”ずっとありそうでなかったリアルやっと世界のすべてが変わった今を好きになるありがとうその一歩先が次のEntrance(早口)”で凄いことなのだが ”友達” という文言をみた瞬間すべて理解(わか)らされてしまって恐る恐る動画内のイラストを確認していよいよ限界になってしまった。

 

 

思い出を未来の中に探しに行くよ約束

開始30秒で天秤ひなみのカレンダーガールのすべてを理解(わか)っちまった僕はそれからクッションで顔を覆うだけの置物になっていたので動画内容のほとんどを覚えてはいないのだけど、それでもカレンダーガールの肝であるところの大転調からのDメロ→落ちサビだけは対峙しなきゃとモニターを覗き込んだ。

案の定Dメロの歌詞

思い出を未来の中に探しに行くよ約束

を強調した演出になっていて、結局それが命取りとなって30分間廃人になってしまった。多分この感覚はアイカツMF2018の「きらめきメッセンジャー」やアイカツ武道館での「AIKATSU GENERATION」の演出以来の感覚なんだろうな。 

アイカツ!50話「思い出は未来のなかに」ではSoleil3人の想いがひとつに重なり「カレンダーガール」を歌い、そして3人はそれぞれ活動を広げ羽ばたいていく。少し時は流れアイカツ!125話「あこがれの向こう側」でそれぞれ成長した3人がSoleilを長く続けていきたいという新しい目標を掲げたとき、星宮いちごが「おばあちゃんになってもね」と続ける。

アイドルもアニメもVtuberも世の中のエンタメもすべては誰かがこう在りたいという願いや祈りの具現であって所詮は偶像や虚構だといえる。どれだけ楽しい時間を過ごそうとインターネットブラウザを閉じた瞬間どうしようもないくらい現実が待ち受けている。

それでもアイカツ!125話で「おばあちゃんになってもね」と、この先アニメの中では決して語らないだろう果てぬ未来について語った星宮いちごを目の当たりにしてから、アイカツという作品が虚構を超えて自分の現実と交わった感覚があったしそれが今でも続いている。

オタクを続けていると推しの卒業や引退、コンテンツの終焉という逃れざる命題に直面することがある。僕も最近Vtuber生前葬(引退配信)に赤スパを投げる推しを観測するという奇妙な体験をしたのだけど、エンタメ界が大打撃を受けている今日の情勢の中ではそういった”終わり”が身近なところにあるものだと実感する機会が増えた。僕たちが全力で傾倒した虚構の果ての向こう側には何が待っているのだろう。

そんな命題に対する一つの答え、みたいなものが天秤ひなみの「カレンダーガール」にはあった。アイカツに憧れ導かれてアイドルになった女の子が見せてくれたひとつの終わりの向こう側の景色。その景色を共有することが出来たのが何よりもうれしくてお前しか推せんと思った。

ずっと ありそうでなかったリアル

やっと 世界のすべてが変わった 今を好きになる ありがとう

その一歩先が 次のEntrance

 

そんな感じでこれからもやっていこうと思うよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【歌ってみた】少女レイ/天秤はかり×多々星シエル【みきとP】


ロキ 歌ってみた【天秤はかり×夜霧メイ】

アイカツオンパレード!ユニットライブツアー ユニパレ! 福岡公演に行ってきました【到達点】

ライブレポというより"アイカツオンパレード!ユニットライブツアー ユニパレ!"の言語化をやっていく。

 

憧れはまた 膨らんだ

全身を 震わせた

この瞬間(とき)のために生まれてきたんだ

青春がいつもここにあった

自然と笑顔が零れた

たくさんの想いが集まった場所

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この日の福岡はアイカツシリーズのワンマンライブの中でも間違いなく到達点のひとつ。アイカツにただ夢中で駆け抜けていたあの頃の情熱のまま…。そんな最高の夜だった。

日時:2020年1月25日(土)【ナイトタイム】17:15開場/18:00開演
会場:福岡・DRUM LOGOS
出演者:逢来りん・松永あかね・木戸衣吹/わか・るか・みき・みほ・りえ・りさ

福岡・DRUM LOGOSのキャパは1000。愛知・仙台が険しい人密度だったので、毎度ながら捌きが悪く開場時間が押していた今回もかなり険しくなるんだろうなと思いながら雨に凍える体をライブハウスの中に滑り込ませた。ところがどっこい段差が多くどこからでも見えやすい客席。人密度がこれまでと比べてかなりマシかつ女性・キッズエリア(関係者席)は2Fに用意かつ天井がめちゃくちゃ高く開放的で居心地の良さを感じる。控えめに言って「このおだやかさ、おだやかじゃないわね」。雨に濡れてきた観客も多くライブハウス内の湿気はかなり高め。ステージも照明もとても見えやすかったにも関わらず湿気がスモークのように漂いステージ後ろのUNITPARADEの文字があまり見えないくらいだった。舞台上も湿度が高く滑りやすくなっていたため靴底を拭いたりと演者はかなり気を付けていたそうだ。

先日の仙台・Rensa音がめちゃくちゃ良かったと書いたが福岡・DRUM LOGOSはとても高い天井の影響もあってかそれ以上に音が良すぎた。いや、本当に音が良すぎた。自分史上最高に音が良い箱だったし周りのオタクも大体同じようなことを言っていた。ありがとう福岡・DRUM LOGOS、お前しか好きじゃないよ。照明も本公演だけこれまでのアイカツの主要イベントで照明デザイナーを務めてきたkenichiro takahashi氏だったようでダントツによかったみたい。すみません、今回演者に集中しすぎて照明にまで気がまわらず僕は覚えてませんが、それだけ演者に没入することが出来る素晴らしい照明演出だったということで。

セットリスト

1.君のEntrance らき

2.そこにしかないもの あいね みお

MC1 全員

3.Bon Bon Voyage! るか りえ みほ りさ

4.おねがいメリー みき みほ

5.森のひかりのピルエット るか

6.裸足のルネサンス りえ

7.Forever Dream りさ

MC2 るか りえ りさ

8.サマー☆マジック みき みほ

9.はろー! Winter Love みき

10.Growing for a dream わか

11.Passion flower みほ

MC3 らき わか るか みほ

12.オリジナルスター☆彡 らき わか

13.窓-ココロ-ひらこう あいね

14.6cm上の景色 みお

15.永遠の灯 るか

16.チュチュ・バレリーナ りえ るか みき

MC4 あいね みお るか りえ みき

17.みんなみんな! あいね みお

18.GLAMOUROUS BLUE わか るか

19.The only sun light りさ

20.Lovely Party Collection るか みき りえ

21.アコガレカスタマイズ☆ らき わか

encore

22.ひとりじゃない! あいね みお

MC5 全員

23.アイドル活動! オンパレード ver.

レギュについて。今回開演前のレギュに関するアナウンスが結構変わっていて、その中でも一人ひとりがアイカツのイベントである意識をもってみたいな文言が組み込まれており、このツアーが全員にとってより良いものになるための当事者意識が試されていたように思います。そしてそれは明らかに作用していた。

一曲目君のEntranceで圧縮がかからずクソコールも激減。跳ぶ人も多くなくみんなステージに集中している。あんなに激しかった愛知と宮城を経て福岡がここまで穏やかになるとは想像出来なかった。「このおだやかさ、おだやかじゃない」そんな現場の雰囲気だった。

それではそこにしかないもの以外で高まり続けた(やめろ)神セットリストの話をしていく。や、、、そこにしかないものめっちゃ楽しくて沸いたしあのピュアパレ特有の空気感本当に好きだしこれは決して悪口ではないのだけど、あの選曲の中では他が強すぎで格落ち感はあったでしょ(好きな人ごめんなさい)。

このツアー最初の2曲はオープニングという感じでMCを挟んで3曲目から本編がはじまると思っているけど、そんな本編の実質初手Bon Bon Voyage!でひっくり返ってしまった。スターズ感謝祭のエンディングを飾った曲ですよ⁉︎

でも後々振り返ったら完璧なセットリストだったなと。

3.Bon Bon Voyage! るか りえ みほ りさ

4.おねがいメリー みき みほ

5.森のひかりのピルエット るか

6.裸足のルネサンス りえ

7.Forever Dream りさ

完全にツアー2018のお気持ちですよ。このターム本当に完璧だった。アイカツの歌唱担当はアイカツ武道館以降も幸いなことに全員芸能活動を続けていて、歌やダンスの仕事などそれぞれやっているのだけど僕が一番好きだったツアー2018の時のまま…いや同等のクオリティを保つどころかあれから経験と努力を重ね、更に素晴らしいものにしようとするプライドさえ感じる気迫溢れるステージだった。特に僕が大好きだったForever Dream

その中でも一番好きな歌詞、

Dream Will Come True

夢を追うことは 生まれて来た

その意味 知ること

クサい話、ツアー2018を経て生まれてきた意味を知ったまであるのだけどForever Dreamのこの歌詞は冒頭で引用した君のEntranceの歌詞、

この瞬間(とき)のために生まれてきたんだ

青春がいつもここにあった

とリンクしていると僕が勝手に言っていて、"あの頃"の想いの一歩先に君のEntranceという曲があり、ユニパレ!があるのだと思う。

 

青春がいつもここにあった

君のEntranceの歌詞は、"何者かへと至るため、いずれ終わりを迎える青春"という概念について最も優秀な表現のひとつだと思っている。

無印アイカツアイカツスターズのライブイベントの展開については卒業を迎えたアイカツ武道館までが青春といえた訳で、以降のイベントに関しては屈辱のランティス祭りを含めて楽しい思い出ばかりではあったけど、少なくとも自分にとって"あの頃"と同じ気持ちで楽しめたことは一度たりだってなかった。夢中で駆け抜けた青春はあの日に終わりそれぞれの道へ。なのにそこから先の物語が運営によって作為的に与えられ、それはそれで後から与えられた物語文脈を見出しながらここまで来たけど、やっぱり"あの頃"とは決定的に違っていた。

卒業したアイカツアイカツスターズとは違う、新しい青春がアイカツフレンズに引き継がれていたのだけど、それも初ワンマンが最初で最後になった。あの時の重大発表でオンパレが発表されたのだけど、あの発表の裏側で終わってしまったものを想像出来ず、ただ無邪気に喜ぶことが出来た人とは一生分かり合えないよ。アイカツシリーズが続くこと。大好きだったキャラクターたちとまた会えること。ここにしかないコラボが生まれること。とても意義があることだけど、例えば白銀リリィが藤堂ユリカとアリシア シャーロットと共にDreaming birdを歌うことが、アイカツスターズ!という物語が重ねてきた文脈の中たったひとりでDreaming birdを歌ったこと以上の意味を見出すことは不可能だと思う。ゴシック組のコラボ、そうだね夢のコラボだねすごいね以上の感情は生まれない。青春の卒業式であったアイカツ武道館でユリカ・スミレ・リリィで硝子ドールをコラボしたことと、今更与えられたコラボの意味合いはまったく違う。同窓会や大学の学園祭みたいな、あくまで本筋から逸れたお祭りみたいなものだ。

"いつまでも終わりはなく未来へ進み続けること(START DASH SENSATION)"こそが命題だったアイカツシリーズにとって、"思い出"を土台に物語を紡ぐのだとしたらそれこそ本当にファンブックという意味での同人誌的な価値しか生まれない。アイカツオンパレード !で青春を送れるのは姫石らきだけであり姫石らきにとっての青春であり未来へと続くための物語にならなければオンパレの意義は薄く、ただのアイカツオタクにとっての想い出のパレードになってしまう。オンパレ!とユニパレ!が姫石らきと逢来りんにとっての青春となった時はじめて、僕はアイカツ武道館で止まった時間から地続きの青春を感じることが出来る。

 

その一歩先が次のEntrance

まぁユニパレに臨むにあたって上記ほどめんどくさい事までは考えてなかったと思うが、ユニパレ愛知と宮城が最高に楽しかった事とは別に、あの頃と同じような気持ちでは楽しめていなかったのも事実だった。

そんな中Bon Bon Voyage! →おねがいメリー→森のひかりのピルエット→裸足のルネサンス→Forever DreamというVAのタームは本当に完璧だった。ツアー2018の頃のままに更に上を目指す心意気すら感じた。

終演後楽曲派オタクがこの音響と森林のような湿度感の中で聴けた森のひかりのピルエット「ありえん」「ほんまありえん」と発狂する気持ちが分かるし、ツアー2018でずっと完璧だったForever Dreamがありえん良い音響と相沢梨紗さんの圧倒的なパフォーマンスによって更に上の領域の世界観をまざまざと見せつけられて号泣してしまった。

ところで、ツアー2018の大好きなシーンがありForever Dreamを歌い上げた後の相沢梨紗さんが、照明が暗転する際に美しい所作で、すっと手を組み佇んでいる間にMCのメンバーが集まってくるのを待つという件があったのですが、7曲目からMC2の件がそのままその所作で行われて、完全にあの頃のお気持ちになって参りました。観客もこれまでとは違って大人しかったこともありMC陣のぬるっとした空気感の中でそれぞれのユニットの仲の良さが垣間見える、よきものでありました。

8.サマー☆マジック みき みほ

9.はろー! Winter Love みき

10.Growing for a dream わか

11.Passion flower みほ

これも完全にあの頃の選曲ですよ。STAR☆ANIS NHKホール→AIKATSU☆STARS! 中野サンプラザアイカツというコンテンツと歌唱担当アイドルが自分にとって掛け替えのない存在になった頃のライブの選曲。自分は

Poppin' Bubblesが聴けたら何も悔いはないと言っていましたがサマー☆マジックはろー! Winter Loveが来ても何の悔いもなかった。むしろこの日季節物が沢山披露される事は予想していたしサマー☆マジックは昔歌ったとき「最初の台詞が棒読みで下手くそだったなぁ〜」なんて開演前に笑っていたので、冒頭の台詞含めてあの頃より遥かに進化したパフォーマンスであの頃の楽曲をみられる日が来るなんて、

青春がいつもここにあった

自然と笑顔が零れた

たくさんの想いが集まった場所

完全にこれになっていました。

Growing for a dreamの間奏ではわか様が昔側転キメていたところで空中で横一回転のバレエジャンプみたいな動きで暴れ回っていでめちゃくちゃだったし、Passion flowerの天音みほちゃんは過去イチまであるレベルで気合の入った素晴らしい演目でした。みほちゃんですが一昨年の秋のMi☆nA 2stライブの時にChica×Chicaをソロで披露された時の尋常なく気合の入ったダンスに感動したのだけど、あの時以上の気迫とセニョリータシェヘラコーデのありえん着こなしレベルの可憐さでエンシエロ篤面しながらアツく感動しておりました。やっぱMi☆nAだなー。

12.オリジナルスター☆彡 らき わか

13.窓-ココロ-ひらこう あいね

14.6cm上の景色 みお

15.永遠の灯 るか

16.チュチュ・バレリーナ りえ るか みき

逢来りんちゃんが"オリジナルスター 目指してるスター"っていかんでしょ、の選曲は…(涙)

さっきオンパレ!とユニパレは姫石らきと逢来りんにとっての青春にならなければ意味がないと書きましたが、この日OA分も含めて最近のオンパレ本編はいよいよ主役姫石らきのための物語になってきています。信じられないことに最新話では霧矢あおいや如月ツバサや桜庭ローラや紅林珠璃や蝶野舞花といったありえんアクの強いキャラクターたちが賑やかしのただの物語装置として使われ、物語のエモが姫石らきに収束するような構成になっており、僕は非常に感動したし姫石らきというキャラクターにいよいよ真剣になってきました。姫石らきの瞳の色は歴代主人公の瞳の色のハイブリットになっている反面、髪色は主人公にしては地味で自身のカラーがはっきりしない色になっている(今京都マルイで催されているオールアイカツ!ミュージアムにてそのような記載がありました)。彼女はこれまでの主人公たちの思いを引き継いでいる反面、自身のカラーはまだはっきりとしない、まさに青春の途中の何者でもないキャラクターなのです。そしてそういう要素はユニパレ!で主役を張っている逢来りんちゃんからも感じます。

語弊なくはっきり言いますが逢来りんちゃんのパフォーマンスは現時点で既に木戸ちゃんや松永あかねちゃんを超えています。ほんと凄いんです、逢来りんちゃんは。ただ、歌とダンスの技術レベルが卓越している反面すごくニュアンスの話にはなってしまうが、芸能人:逢来りんの独自性みたいなものはまだあまり見えてこない。

それでいうと松永あかねって凄いですよ。歌う前とか本当に一人で大丈夫だろうかとか思ってしまうんですけど絶対に大丈夫だし、表現の仕方というかMCの独特の切れ味やステージでの立ち振る舞いも含めて芸能人:松永あかねとして既に確立されてるなと感じます。

逢来りんちゃんを見てる時はダンスと歌が上手な女子高生の"新人声優"が一所懸命パフォーマンスしてるな〜ってのが伝わるのですが、松永あかねちゃんの場合見ててすごく松永あかねだなっていう安心感があります(語彙力)。「今回のツアーではじめて飛行機に乗ったので離陸の瞬間をすごく楽しみにしていたんですけど、離陸まで意外と時間が長くて飽きてきちゃったし、飛んだら飛んだで気持ち悪くなってきたので寝てました」みたいなMCすごく松永あかねって感じでよかったな。

自分の中でユニパレ!の出演者の中で唯一まだ何者でもないといえるのが逢来りんであり、そんな逢来りんが周りの"お姉さん"たちに支えられ見守られながらも間違いなくユニパレ!の中心にいて、この瞬間(とき)だけのコラボコーナーなどを通じてユニパレ!でしか得られない青春の物語を紡いでいるのが伝わってくるのでいよいよユニパレ!が好きで好きで仕方なくなってきたし、この福岡公演で自分にとってあの頃と地続きの青春と呼べる領域になってきた。オタクは事あるごとに演者のこと「伸び!!」とか「分かり手〜」とか茶化して表現して何かを言った気になって自身は永遠に伸びないのだけど(自戒の意味も込めて書いてます)、逢来りんはオタクに言われなくても無限に伸びるしやがて他の界隈にも知られる声優:逢来りんを確立していくのだろうけど、オタクに出来ることといえばどれだけ"真剣"になれるかだけだから、せめて"真剣"にやっていこうぜ。

(ところでフルの初披露がどこかよく分からない田舎のショッピングセンター無銭だった6cm上の景色聴けてよかったな)(この日演者の名前叫んだのは木戸ちゃんだけなくらい好きだよ)

さてここから先がいよいよクライマックス。

 

到達点

15.永遠の灯 るか

あ"⁈⁈⁈⁈‼︎‼︎‼︎‼︎

オデットスワンコーデで出てきたるかちゃんをみて内心(Du-Du-Wa DO IT!!はやめてー)と思ってしまったけど、永遠の灯はアホアホのアホ。狂ってたマジで。

これはあかジェネのハロウィン回、ケットシーの衣装で永遠の灯を歌った大空あかりの文脈で、一昨年の遠藤瑠香生誕イベ東京でそのモチーフに近い衣装を着て歌っているのを回収してはいました。その時はアニメと同じでまだまだ駆け出しのアイドル大空あかりのかわいらしさを汲んだ歌い方でした。

しかし今回は明らかに解釈が違いました。おそらくスターライトクイーンになってからの大空あかりが本気で永遠の灯をパフォーマンスしたらどうなるのか、という真に迫ったものになっていました。

これまでのアイカツのライブで一番狂気じみていたものといえばAIKATSU☆STARS! 中野ワンマンでるか・もなで披露された魅惑のパーティーが挙げられますが、あの時と同等以上の狂気感。

 

デーンデーンデーンデーンデーンデンデンデンデーン

のイントロでステージ暗転している中遠藤瑠香がありえん激しい動きで頭を振りながら笑ってるんですね。ヤバいヤバいヤバいヤバい殺されるタスケテくれと思いました。

開幕から終始ゾーンに入っている遠藤瑠香をみて誰もが思っただろう、遠藤瑠香お前がナンバーワン。アイカツのオタクにとってるかちゃんはやっぱりヒーローですよ。間違いなくこの日の到達点のひとつになった圧巻のパフォーマンスでした。

16.チュチュ・バレリーナ りえ るか みき

あのさぁ…藤城それ宮城で歌ったよねぇ(永遠の灯もそう)。この曲の事好き過ぎるだろ、泣いた。俺もやっぱりこの曲好きすぎて泣いた。

チュチュ・バレリーナは間違いなくアイドルグループAIKATSU☆STARS! の到達点のひとつ。あかジェネ曲はLet's アイカツ!Lovely Party Collectionに代表されるようにポップでキュートな曲が多くをしめる中で突如としてEDにぶち込まれたチュチュ・バレリーナとかいうハードな曲。全員曲の中でも一際影の部分を担うとてもシリアスな世界観のパフォーマンスが繰り広げられ、僕はそんなAIKATSU☆STARS! の二面性が大好きだったし、あの演目があったからこそそれぞれ個人のパフォーマンスのレベルアップに作用した。チュチュバレがあったからこそ次のシリーズでepisode Soloが生まれたと言っても過言ではない。チュチュバレは@ジャム2015、2017両方で披露され、フェス系のイベントでも自信をもって勝ちにいける強い楽曲。本当好き過ぎて宮城わずか一週間振りながらお気持ちになった。

17.みんなみんな! あいね みお

18.GLAMOUROUS BLUE わか るか

19.The only sun light りさ

20.Lovely Party Collection るか みき りえ

21.アコガレカスタマイズ☆ らき わか

MCでもう終盤戦ですみたいなことが告げられ、え〜うせやろまだまだこれからみたいな定番の件をやりつつ内心ここまでの密度が濃すぎたのでようやく終盤なのかという謎の安堵感を覚えるまであった。

みんなみんな!大好きですよ。無印アイカツのフレンドもそうだけど非常にライブ向きの曲で現場で聴いたらもっと好きになる系の曲。さっき松永あかねちゃんの事を褒めましたが、ありえん舞台度胸の持ち主である松永あかねちゃんよりもむしろ木戸ちゃんの方が緊張感強かった気がする。いくらアイマスでアリーナ級を何度も経験していたり、山崎エリィとのアイドルユニット「every♥ing!」で場数を踏んでいようとも、アイカツ現場の異常な熱気(冷静に考えて女児アニのイベントでここまで熱狂してる頭のおかしい集団なので)にどうしたものかと動揺している感じがありました。木戸ちゃんはアイカツのMCでいつも滑るんですけどこの日は適度な緊張感の中割といい感じにずっと喋れていたにも関わらず最後の逢来りんの挨拶に茶々入れして滑ってたの木戸ちゃんらしくて好き。

GLAMOUROUS BLUE。ツアー2018福岡にてはじめて披露されたいちごとあかりのユニット「コスモス」の星空のフロアの鮮烈さがやっぱり印象に残っていて。あれから2年経った今再び福岡で聴きたいという思いは誰もが抱いていたと思いますが今回はやはりGLAMOUROUS BLUEしかなかったでしょう。

GLAMOUROUS BLUEは、アイカツ関連のイベントで間違いなく最も治安がピンチケだったといわれる伝説のナゴヤアニソンフェス2016in名古屋城で唯一披露された曲であり、多分僕が唯一アイカツのライブで回収したことのない幻の楽曲でした。

────さて、この日のGLAMOUROUS BLUEのパフォーマンスについてどう形容したらいいんですかね?アイカツ歌唱のトップを走り続けてきたわか・るかが、曲中永遠に楽しそうに暴れまわっている。上下左右、ステージの使い方が異常でそれでいて満面の笑みと完璧なパフォーマンス。ちょっとこれ映像に残らないとしたらありえないレベルですよ。それくらい形容し難い圧巻のステージだったし、この曲のこと本気で好きな人ってそれほど多くはなかったと思いますが本当に一生の思い出の曲に化けました。これはもうユニパレ!DXでも絶対に演ってくれとしかいいようがない。完全なるアイカツ歌唱担当の"到達点"でした。

さっきからこのオタクは到達点到達点言い過ぎでうるせぇって感じですが、この日僕が一番到達したのはThe only sun light。これは間違いなく自分にとってのオールタイムベストアクトの一つ。

相沢梨紗さんはツアー2018の時ずっと完璧でした。時に歌詞を間違えた時も、衣装の飾りが外れてしまった時も動揺ひとつ見せず完璧なエルザ フォルテを演じられていましたし、この日あの頃よりも更に完璧なForever Dreamを目の当たりにしてもう畏敬の念を抱くレベルで尊敬していたのですが、The only sun lightの圧倒的さはそれら全てを凌駕するレベルでした。

この日の永遠の灯の遠藤瑠香のように演者があきらかゾーンに入っているなとみて取れる瞬間があるのですが、更にその上の領域で、演者に空間の全てを掌握され一挙手一投足全てから目を離すこと出来ず、ただ涙を垂れ流すだけのボロ雑巾になってしまうことがこれまで3回だけありました。アイカツ武道館のMY SHOW TIME!Wake Up, Girls!FINAL TOUR - HOME - ~ PART Ⅲ KADODE ~愛知2.17昼公演のBeyond the Bottom、そして今回のThe only sun lightが3回目でした。ありえん気迫ありえん完璧さ。もう一生モノの思い出です。相沢梨紗さん本当にありがとう。

Lovely Party Collectionは意外だったね。来るなら大阪だと思ってたから。今となっては中野の時にはせな・りえがいなかったことが信じられないくらいAIKATSU☆STARS! は一体感のあるチームになったし、藤城りえがルミナスの一員としてここまでしっくり馴染んで自分たちの歌にしていたのが、本当にすごいよ。

アコガレカスタマイズ☆が来た時、あぁようやく最後の曲か。そのうち死ぬかと思ったけどようやく意識が戻ってくるなどした。

 

みんなアイカツ!全部アイカツ!

encoreが開けてピュアパレットが出てきた瞬間勝ちを確信しました。「アンコールはアイカツコールなんですね〜、でも全然揃ってなかったですね〜w」という木戸ちゃんの煽りが心地いい。

「それでは聴いてください、ひとりじゃない!

イ"ャッタア""ーーーーーー‼︎、今日イチのガッツポーズ。

このセトリは正しすぎるじゃないですか。

"あの頃"のアイカツ曲で散々ブチ上がった後、最後に(オンパレを除いて)シリーズ最新作の曲をみんなで、

みんなアイカツ!(みんなアイカツ

全部アイカツ!(全部アイカツ!)

 はいせーの、はいせーの、はーいせーの、はいせーの

って盛り上がるのは正しすぎるじゃないですか。やっぱアイカツなんだよなぁと無限に笑顔になってしまった。

最後全員のMC、まず未来みきが2階の関係者席に親族などを招待して福岡で凱旋ライブが出来たことへの感謝を述べていました。未来みき久しぶりに見たけどなんかすごく未来みきでよかったな(語彙力)。ルミナス組は特に曲やMCの行間でいちゃいちゃしていることが多くひたすら尊かったし、もなちゃんがいた時も今のルミナスもすっごくいいなと再確認しましたね。

遠藤瑠香のMC。あれだけ鬼神の如きパフォーマンスを繰り広げていた遠藤瑠香ですが、最後の挨拶では急に途切れ途切れのカタコトでロボットか何かかな?と思いました。相変わらずのMCヘタクソ芸人振りにコレwコレコレコレコレwと無性に嬉しくなってしまったよね(東京ドームのMCでは何とか事故らなくてよかったね)。

逢来りんちゃんのMC。逢来りんのMCが完璧すぎてめちゃくちゃ感動したのだけど感動しすぎて内容は覚えてないや。でも本当に素晴らしかったんだ。次の大阪ではらきとしてもわかばとしても頑張りたいみたいなことを言った時に木戸ちゃんが「アレっ、わかばってそれネタバレしちゃってるよ〜」みたいな茶々入れを結構しつこく言っていて変な空気になることがあったけど(会場の全員そりゃネタバレっちゃネタバレだけど今日わかば来なかったからそりゃ大阪で来るやろって分かるし)とにかく感動的な挨拶でしたよ。

 

最後の曲アイドル活動! オンパレード ver.

今までより余白が多く自由な感じで、藤城が歌ってる時わか様がディアステ仕込みのケチャで厄介してたのが無限に面白く、極上の笑顔のまま福岡の夜は更けていくのだった。

アイカツオンパレード!ユニットライブツアー ユニパレ! 宮城公演に行ってきました【せなりえ】

Wake Up! 眩しい日差し浴びて

今 胸の希望が 君と重なる

 

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僕がはじめて仙台を訪れたのは2年前の1月、アイカツアー2018初日の時で、あのツアーの後の武道館で区切りがついて色々と変わってしまったコンテンツアイカツだけど、まさかまたアイカツのツアーでこの地を訪れることになるとは思わなかった。

 

日時:2020年1月19日(日)【ナイトタイム】17:15開場/18:00開演
会場:宮城・Rensa
出演者:逢来りん・美山加恋・二ノ宮ゆい/せな・ふうり・ゆな・れみ・りすこ・りえ

 

宮城・Rensaはビルの7階にある比較的新しいライブハウス。非常階段を使って入場待機列を形成出来たのはスマートだった。キャパは愛知同様700人、横長の会場で左右に大きな柱(裏にはモニター)が配置されているので普通に楽しみたいならセンターラインを確保することが大切。愛知公演では後方列には余裕があったが宮城公演はどこもギチギチでトイレ休憩等で抜けるのも一苦労、まさにフルキャパという趣であった。自分は体調があまりよくなかったので後方彼氏面をキメるつもりだったが後方もギチギチで(むしろ流動的な真中より後方の方が詰まってた)どうしたものかなという開演前だった。ステージはまあまあの高さで比較的見通しやすい方だったし、何より音と照明がかなり良かったのは強調しておきたい。や、音が本当に良かった。(今考えるとボトムラインは音も照明もボヤけていたなぁ)

 

セットリスト

1.君のEntrance らき

2.スタートライン! せな りえ

MC1 全員

3.スタージェット! せな

4.1,2,Sing for You! りえ

5.おけまる エマ

6.Girls be ambitious! 舞花

7.みつけようよ♪ エマ 舞花

8.オトナモード ふうり

MC2 ふうり ゆな れみ りすこ

9.Take Me Higher りすこ れみ ゆな

10.マジックスマイル ゆな

11.月夜のラグタイム れみ ゆな

12.Moonlight destiny りすこ

MC3 らき りすこ

13.真夜中のスカイハイ らき りすこ※スペシャルコラボ枠

14.永遠の灯 れみ

15.硝子ドール れみ りえ

16.チュチュ・バレリーナ りえ

MC4 舞花 エマ りえ

17.個×個 舞花 エマ

18.笑顔のSuncatcher りすこ ふうり

19.Star Heart りすこ れみ ゆな

20.STARDOM! せな りえ

21.アコガレカスタマイズ☆ らき

encore

22.POPCORN DREAMING ♪ せな りえ

MC5 全員

23.アイドル活動! オン パレードver. 全員

 

まずレギュレーション云々の文句を言う前に、このユニットライブツアー ユニパレ!は特設サイトすらなくチケットの買い方やライブに関する情報すら入手することすら困難なイベントであり、運営のツアーに対する準備全般が拙いことは指摘しておかねばなりません。終演後藤城リエさん宛のプレゼントは受け付けられないので回収してくださいってアナウンスもイミフでした。近年のプレゼント事情について、演者の安全のために生モノやデカいものを受け取らせないってのは当然の流れだしオタクからも配慮しなければならないことで、今回のツアーで用意されているプレゼントボックスにはわざわざ【レターボックス】と明記されており運営的にもそういうものを求めているのは分かりますが、そういうことも事前に周知しておいて下さい。

そんなこんなでライブのレギュレーションが機能するとは思ってませんでした。そもそも箱がギチギチ過ぎてスタッフが入り込む余地すらなかった。だからコール事情やジャンプや接触の激しさなどは愛知の時とほとんど変わってなかったと思う。ただ、当たり前のことだけどレギュレーションがないからやりたい放題に楽しんでいい訳ではないしレギュレーションがあるから楽しめなくなる訳でもない。お気持ちを表明する前にレギュレーションに関わらず暴れること自体が目的のドピンチケはハロウィンで暴れるアホが根絶しないのと同じレベルで一定数存在してしまうものだし、今回も実際に「せな・りえ〜」と叫びながら突っ込んでいく奴らに突き飛ばされたみたいな報告もあり、そういうのは後からでもスタッフに伝えたり運営に問い合わせたりと少しづつ撲滅していくしかないが、そういう部分を全体の民度と同一視するのと論点がズレる。また以前行った地下アイドルのライブで推しの出番の時にオタクが親切に譲ってくれたのにアイカツオタクは地下現場より動物園か、みたいな雑なお気持ちも散見したけどそれはキャパに余裕があってそれぞれの推し出番で流動的に動きやすいフェス系イベントの流儀であって今回のツアーのようにギッチギチで余裕がまったくない現場においては、人に譲れば譲るほど自分が不利になっていくだけでみんな余裕がないし、そういう箱を選んだ運営の責任が一番大きいので論点がちょっとズレているよと。このようなオルスタでみんな平等に楽しめる保証っていうのは実際問題不可能だし、だからといって人を故意に押しやるのも絶対に違っていると思うので、"一人ひとりがこの空間を最高にするための努力と譲歩"をしなければこの議論は永遠に不毛。少なくとも楽しさは与えられるものではなく自分から努力しなければ得られない、オルスタの場合特にねということが言いたかった。前方から真ん中やや後ろくらいまではわんぱく層が沸くけど、その後ろくらいに穏やかに見たい人の層が出来ていたりします。自分から後退するのが癪なのは分かるけど近くにマジモンがいた時に自主避難できることこそオルスタ最大の利点ですから、どうかそれぞれの楽しみ方を。

───っとここまでネガティブな意見を述べてきた上でツアー宮城の雰囲気がどうだったかというと、自分は最高の空間だったと思います。

地下やアニクラ寄りのクソコールがなくなることはないし個人レベルでみれば厄介な動きをするオタクもそれなりにいたのかもしれないけど、総体として自分から逸脱したコールや動きをしようとするイキリは愛知より減っていたしレギュレーションに一目置いた上で、あの空間を純粋に楽しいものにしたいという純粋な熱気を、少なくとも僕は受け取った。

選曲的にも愛知はジャンプ曲がやたらと多くてアホみたいに疲れてしまったけど宮城では正統派クラブサウンド中心にほどよくピョンピョンしながら揺れるノリの曲が多かったのも楽しかった。とにかく選曲と繋ぎが神がかっていたので低まった場面といえば「みつけようよ♪」のイントロが流れた時くらいだけど(あの完璧な流れで個×個来ないんかい⁈ってなって笑っちゃった)、ニノミヤユイさんを呼ぶ美山加恋さんの「Come here!」が完璧過ぎてすぐに沸いた。

前述の通りピンチケコールは愛知の時より減っていたしそれでいてあまりコールの余地がないStar Heartで所々合唱したりスタージェットの"もっと輝きたい オレモー/"とか硝子ドールのクッソ長い間奏で雑な口ギターソロしてるクソオタクとかいて、ルールから逸脱しないで最大限楽しむ工夫がある一方で、渋谷公会堂振りのMoonlight destinyのイントロが流れた瞬間さっとフロアが静かになり、自然と拍手が湧いた瞬間のオタクの雰囲気作りは信頼しかなかったな。誰かが狙って作ったものじゃない、あの瞬間の空気感でしか体感しえなかったものこそライブの醍醐味であり、こういう話こそやっていきたいよね。

目立った選曲の意図としてはまずかえゆりかな。Take Me Higher →マジックスマイル→月夜のラグタイムの完璧な流れは一ノ瀬かえでのオタク全員死んだのでは⁈⁈僕はチケを握れなかった一ノ瀬かえで推しの推しvtuberが泣いてる姿を夢想したし、月夜のラグタイムは警戒曲とはいえ本当に来るとは思ってなかった。愛知でまさかのSunny Day Little Sundayが来なかったので、フォトカツの未披露曲の中からこの曲が最初に披露されることになるとは…ずっとかえゆりを信じてきた甲斐があった…(流石にRED MOUNTAINや禁断 Hide & Seekは来なくて残念だったね)

逢来りんちゃんのコラボコーナーの前にりんちゃんとりすこさんのMCがあり、次コラボする曲はアイカツをリアタイしていた小学生の時私は美月さんに憧れていて…、

りすこ「(目を見開いて)小学生ですって!?」(笑いが起きる)

この曲を選ばせて頂きましたと言っていて、これラジカツを聴いていて逢来りんちゃんのことをよく知ってる人にはこの曲が大好きなこと分かってたことみたいなんですけど自分は知らなかったのでMove on now! だろうなーエモいなーとたかを括っていたところで、「真夜中のスカイハイ」

「「真夜中のスカイハイ!!??」」

 

前日オタクと作戦会議してるときりすこさんのソロ枠はMoonlight destiny当確。ツアー2018のゲスト枠でりすこさんは真夜中のスカイハイを(ななせと)歌っているので真夜中のスカイハイは絶対来ないと断言していたのですが、逢来りんの選曲真夜中のスカイハイ、伸び!!!!!

逢来りんちゃんの伸び代がありすぎて魂が思わず仙台の空にスカイハイしてしまうくらい素晴らしい選曲。春風わかばも姫石らきも絶対に歌わない曲調じゃないですか。アイカツに憧れて声優になりオンパレや今回のツアーで主役に抜擢された(ここらへんの事情知らないので有識者から話を聞きたいところ)逢来りんちゃんが、自身の個人的な思い入れから憧れだった曲のコラボを実現するのってアイカツすぎてアイカツじゃないですか‼︎(語彙力)

なんかもうとにかく最高だったんだよ。まだツアーに参加してない人に言っておきたいんだけどユニパレは逢来りんに真剣(マジ)になるためのツアーになる。早くみんなで真剣になろう。

そしてそういうアイカツの繋がりは氷上スミレを受け継いだ藤城りえがチュチュ・バレリーナをソロでフル披露したことも藤城本当この曲好きなんだろうなってエモくなったし(お前…ななせのいないところでチュチュバレ歌ったんか…)(クリアネス参照)、

れみさんと硝子ドールをフルで歌ったこともヤバさしかなかったよね。(お前…ななせのいないところで硝子ドール歌ったんか…)(アイカツ武道館参照)

 

最後にせなりえの話。

仙台に来た理由の9割はせなりえのPOPCORN DREAMING ♪を見届けてせなりえを無事完結さることだったんだけどまさか、

スタートライン!、スタージェット!、1,2,Sing for You!、STARDOM!、POPCORN DREAMING ♪必要なもの全て見れるとは思わないでしょ。特にPOPCORN DREAMING ♪はツアー2018からライブでは全員曲の扱いになってはいたものの、ずっと同期で切磋琢磨してここまで大きくなったせなりえが最強になるための約束の曲だったので、おそらく最後になるこの機会で最強の二人として決めてくれってってところで最高のPOPCORN DREAMING ♪をみれて本当にもう何もいうことはない、優勝だったよ…

せなりえが終わると

せなりんが流れてくる

次の曲へ

最後全員の挨拶がおわりそれぞれはけていく時に堀越せなが逢来りんちゃんをステージの上で抱きしめたんですよね。終演後のツイで堀越せなが、不安を抱きながらもりんちゃんが頑張ってる姿が昔の自分と重なりつい抱きしめてしまった、と。歌やダンスのパフォーマンスだけでなくあらゆる面で成長してきた彼女たちを目の当たりにして(いつまでも成長しない自分はさておき)、ここまでアイカツが繋げてくれたあらゆるエモに心が揺れた仙台の夜でありました。

アイカツオンパレード!ユニットライブツアー ユニパレ! 愛知公演に行ってきました【ピンチケ?】

 

あの日と違う自分がいた

今を好きになる ありがとう

 

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文章の体裁は考えず備忘録のようにやっていく。

2020年1月11日(土)

アイカツオンパレード!ユニットライブツアー ユニパレ!【ナイトタイム】17:15開場/18:00開演

会場:愛知・BOTTOM LINE

物販は朝イチ結構並んでいたみたいだが2時間前に来た時ガラガラで余裕だった。数日前に発表されたCD/DVD物販のポスター目当てのためか、CDはいくつか売り切れがあったが特典ポスターや物販在庫は潤沢にあるように思えた。まあ今回のツアーは肝心のチケットが潤沢に用意されていないのだが。

BOTTOM LINEのキャパは700人。古き良きライブハウスって風貌。音や照明は特別良くも悪くもない。客席真ん中の左右にデカい柱があってとても邪魔だったが柱の裏にステージモニターがあったり後方は段差がありゆったりみたい人推奨だった。また女性&キッズエリアが2階席が用意されており、差別化は図られていた様に思う。

5分押しくらいでライブがスタート。

セットリスト

1.君のEntrance らき

2.KIRA☆Power わか ふうり ゆな

MC1

3.Dance in the rain わか

4.stranger alien ふうり

5.Thrilling Dream ゆな

6.8月のマリーナ かな

7.アニマルカーニバル かな ななせ

MC2

8.荒野の奇跡

9.Have a dream さくや かぐや

10.偶然、必然。 かぐや

11.導かれて

12.アイカツフレンズ ! わか らき(スペシャルコラボ枠)

MC3

13.カメレオントーク わか ふうり

14.フレンド わか ふうり かな ななせ

15.新・チョコレート事件 ゆな

16.アラビアンロマンス えり

17.ドリームバルーン ふうり ゆな えり

MC4

18.絆 ~シンクロハーモニー~

19.episode Solo かな ななせ

20.ハッピィクレッシェンド ふうり ゆな えり

21.アコガレカスタマイズ☆ わか らき

アンコール

22.ダイヤモンドハッピー わか ふうり ゆな

MC5

23.アイドル活動!オンパレードver. わか ふうり ゆな えり かな ななせ らき さくや かぐや

君のEntranceはまともに聴いたら絶対泣くんですけどライブでは絶対に楽しめる曲だと思っていて、でも実際どういうスタンスで聴こうか迷ってた部分があったんだけど曲がはじまった瞬間圧縮でもみくちゃになり笑顔。荒れる話題なので掘り下げないが「きっと終わりわないよ」のリフレインでの可変4連はそうだよねーとだけ。全編素晴らしいライブだったけど今思い返しても君のEntranceが1番楽しかったな。そして逢来りんちゃんのパフォーマンス!初手Entranceは誰もが予想していたのはいえ、りんちゃんがソロでフルを歌うとは思ってなかった。勿論緊張で表情が若干こわばってたかもしれないけどオタクに不安を感じさせず安心してノレるくらい安定感のあるパフォーマンス力にビックリしました。この日のMVPは間違いなく君のEntranceだったしこれからもっともっと進化する潜在力があると思うので期待。デビューから一年そこそこでパシフィコに横浜アリーナに東京ドームに立ち、さらにツアーの開幕曲を立派にこなした高校2年生。伸びしかない。

2曲目KIRA☆Powerそりゃそうでしょ。開演前オタクと2曲目何がくるかまーじでわからんと考えるのを諦めていたがそれは緊張でアホになってたからで今回のソレイユとドリアカ中心のメンバーをみれば予想できる。懐かしい曲が重要な使い方されて嬉しかったな。今回公式がセトリを上げてくれていたけど、3つある歌唱担当グループの中からSTAR☆ANIS垢だけでUPしたことからも今回はSTAR☆ANIS中心の公演だったことがわかる。

Dance in the rain、stranger alienと順当なソロ曲が続く。stranger alienは多分掛川ポプサミのリハーサル依頼かな?

定番曲が続いたので久しぶりにTrap of Loveのイントロで号泣するやつやるかなでも今日のテンションなら普通に楽しめるかもとか思っていたらThrilling Dream。Thrilling DreamってThrilling Dreamのことですか⁉︎ダンシング☆ベイビーや右回りwonderlandは当日聴いて予習してたけどThrilling Dreamの存在を忘れていたので動揺してしつつやっぱこのツアー攻めてくるじゃんと確信した瞬間。ゆなさんめちゃかわいくてもちろん普段も素敵なんですがこの日は本当にかわいすぎて最初こんな人いたっけ?って思ってしまったし大人の色気溢れるパフォーマンスと呻るジャズベースで急に深夜のクラブイベントになった。ツアー2018初日の宮城にて、りすこさんが真夜中のスカイハイ歌ったのが最高でしたが今回その枠がThrilling Dreamでしたね。

8月のマリーナ、はいアホ。真冬の深夜だと思ってたら急に8月の海になっちゃったし実際周りが暑かった。ツアー2018は早乙女あこ(未来みき)の担当曲でしたが満を持しての二階堂ゆず(星咲花那)ソロでの披露。この曲歌唱もダンスもめちゃくちゃ難しいんですよ。ツアー2018の時は毎回後半はギリギリで頑張ってる未来みきを応援する心持ちで見ていましたし歌唱とダンスの両立の難しさとしては多分8月のマリーナやネバギバ☆は最難関レベルのはずなんですが、それを最後まで安定感抜群に歌い切る星咲ナニモンなん⁉︎

アニマルカーニバル、もうあほあほのチンパンですわ。このライブはやっぱアホのための公演でした。曲終わりのMCで体力歌唱オバケの星咲がこの2曲連続はかなりキツかった〜と、珍しく息を切らして話してましたがそれでも歌い切れてたのヤバいし尊敬しかない。ななせは顔がいい。

荒野の奇跡、MCの後祈りの体勢から曲がはじまる。この曲だけはお気持ちになって祈るようにみていましたが前方の客が沸いて跳ねたりしてるのも間違いではないです。この曲以外でステージに立ってる間は終始ヘラヘラしながら客席に笑顔を振り撒きアイドルをやっていたななせですが、この曲だけは世界観との真剣勝負で客席をまったく見ず自分の世界に入り込んでいました。こういうBeyond the Bottomみたいな緊張感久しぶりだったな。荒野の奇跡に付き纏うのはツアー2018東京の大サビでの歌詞飛びで、今回もそこが一番ギリギリのところで戦っていた様に思うけど、見事歌い切れた時、一瞬だけ客席に目をやった気がする。いや、気がするだけかもだけどすごくよかった、やり切ったぞという意思を感じた。本当によかったですとだけ。

Have a dream偶然、必然。 、導かれて、とフレンズコーナー。今回古参ピンチケアイカツオタクの割合が多いとされるツアーにおけるフレンズ曲の立ち位置ってどうなるのかなと思っていたけど普通に人気で沸いててよかったな。勿論私信曲によって前行ったり休憩に戻ったり動くオタクもそれなりにいたけどフレンズ曲の盛り上がり方も普通によかった。偶然、必然。は当方の推し曲故、無限に小ジャンプしたり腕回して多動になってしまったので体力の半分以上持っていかれてしまったけどやっぱり好きです。桑ちゃんも陶山さんも歌唱安定していらしたし、特に導かれての最後のロングトーン綺麗だったな

アイカツフレンズ !いちご・らきver、今回のツアー各地でおそらく逢来りんちゃん中心にやるであろうスペシャルコラボ枠。アイカツフレンズ !楽しくないですか?楽しいですよね!フレンズになってから離れたオタクもこの曲だけ知ってたりするしありえん楽しかったな。わか様が普段ほど暴れ回らずにりんちゃんを優しく見守りながら踊っているのが分かったし、その後のMCで自然にりんって呼び捨てにおりんという独自の呼称を推していたり理想の温かい先輩過ぎて、特に緊張感の強い初日に歌担の中で一番頼れるわか様が側についてくれていて本当よかったな(涙)

カメレオントーク、キラキラ☆デイズじゃなくてカメレオントークかぁ〜、わか・ふうりがいちゃいちゃし過ぎない分かりて同士の距離感でニコニコ踊っててキモオタスマイルになる。

フレンド (わか ふうり かな ななせ)、フレンドこの4人verはそりゃそうだし今回の目玉まである。楽しすぎて覚えてない。エンジェルアリスおかなとソウルマリオネットななせがいたはずだけどほとんど記憶にない。

新・チョコレート事件、逆にマジカルタイムじゃないのって感じでしたがアイカツ武道館で出来なかった曲補完の意味合いの多いセトリでした。クッソ高密度の中サビで例のフリコピするオタク多くてカオスだった。

アラビアンロマンス、MCに入るたびに無限にえりさん出てこんな〜と気にしていた私ですがいよいよ本当に出て来たし、個人的にアラビアンロマンス警戒とは言ってたものの本当に来ると思ってなかったので笑っちゃった。この日はやっぱThrilling Dreamがアダルティで凄かったけどアラビアンロマンスに関してはえりさんがお顔も体型も雰囲気も完璧に仕上がり過ぎていて本職のステージダンサーさん出て来ちゃったみたいな雰囲気でや、ヤバかったです本当。

ドリームバルーン、優勝優勝&優勝。約束された勝利の広川。大舞台でしか披露されて来なかったドリームバルーンをライブハウスでみられる幸せ。それで十分です。

絆 ~シンクロハーモニー~、この前のMCでリフレクの二人が今日の運勢を占うという寸劇があったんですが、かぐやちゃんが水晶玉が見えませんわと言った時客席から白のバルーンを掲げるクソオタクがいて草。そのオタク曲中にもバルーン掲げてて草だった。

 

episode Solo (かな ななせ)

ハッピィクレッシェンド (ふうり ゆな えり)

この2曲は本当アタマおかしくなるバケモンセトリ。ハピクレは流石に来ると分かってたけどかなななせでサプライズあるならLet's アイカツ!だと思ってたのでエピソロをかなななせで無理やりぶち込まれて逝ってしまった。かなななせのオタク我無事成仏。

アイカツ武道館でDメロを省略されたエピソロとセトリに入れなかったハピクレはアイカツ武道館唯一の心残り、永遠の忘れ物だったのだけど失われし「by myself 」と「愛と情熱」を取り戻し"あの頃"に戻った。

アコガレカスタマイズ☆ 、オサレ系石濱はやっぱライブでノレるなぁと素晴らしいテンションのまま終演。

 

ダイヤモンドハッピー、アンコール明けるのも早くて対した休み時間もなくダイハツ。加齢を感じながら跳ぶ。

最後のMCで逢来りんちゃんが一曲目歌い終わった後舞台袖で緊張が解けて泣いてしまったエピソードを話し、りんちゃんやオタクが泣く(ななせはニヤニヤりんちゃんを覗き込んでいる)。今日の公演を一生の思い出にこれからも頑張っていきたいとみたいに話されていて、絶対ツアーもその先もついて行こうねと泣く。

アイドル活動!オンパレードver. わか ふうり ゆな えり かな ななせ らき さくや かぐや

最後はそう。この曲はここでようやく化けたというかフレンズワンマンやバンナムフェスではどういう風にノればいいかあんまり分からなかったけど、最後に演者一人一人の顔をじっくり見ながら穏やかな気持ちで聴く事が出来て、アニメと同じエンディングの曲としてこれほど相応しいものはないよなと幸せな気持ちのままツアー初日が終了したのでした。

Wake Up, Girls!と作家性、そして自撮りが苦手な田中美海の感性について

去年の2月くらい、僕がはじめてWake Up,Girls! Soloevent2017パンフレット楽曲を聴いた時ビックリしてひっくり返ってしまった。

「メンバーひとりひとりの作家性がここまではっきり発揮される声優アイドルユニットありえるか!???」

 

 

後述するが役者やアイドルっていう仕事に作家性は必須なものではないしむしろ役割を演じる際にそういう個人的な思いと製作陣の意図が衝突するかもしれず、プロデュース側からしたら邪魔になることだってある。そんな中ひとりひとりの作家性がここまで発揮されたアイドルグループなんてこれから先も現れないと思うし、多分そういう部分が僕の考えるWake Up, Girls!一番の特異性だったのではと、今更ながら思い至り書いている次第である。

 

 

 

アニメWake Up, Girls!という物語の作家性と本質

"アイドルとは物語である"というのはアニメWake Up, Girls!における大きな命題だが多くの場合アイドルの物語というものはプロデューサーをはじめとしたお偉い大人たちによって作為的に作られる物語であり、アニメの劇中I-1 clubのゼネラルマネージャーとして君臨した白木徹(秋元康がモデル)はそういう仕組みを具現化した人物である。例えばI-1clubの練習風景は絶対服従・完璧な統率といった軍隊の異様な光景だったが実際に現在のトップアイドルとなった乃木坂や欅坂のダンスや歌唱には神話的・軍隊的なモチーフが多く取り込まれ個人個人が集まったアイドルグループとしてではなく、群体としてのアイドルグループ体系をつくっているのだと思う。そしてそういう世界観を演出するには徹底的なプロデュースが必要であって「アイドルに人間性は必要ない」と切り捨てたのが白木徹で、「アイドルである前に人間です」と決別したのが島田真由というのがアニメWake Up, Girls!のあらすじである。

アイドルアニメは原作がゲームで主人公がアイドルをプロデュースする視点から物語られるものが大半だが、Wake Up, Girls!はアイドル自身から紡がれる物語だといえるし、この一点こそがアニメWake Up, Girls!の本質であり数あるアイドルアニメの中で最も優れた部分であると思う。

マネージャーの松田について考えよう。マネージャー松田は「7人のアイドル」ではそれなりに活躍するものの以降は(最低限の仕事をこなしている上で)一貫して無能として描かれていている。これについて僕はずっとアイドルがプロデュースされるアニメとしてはあまりにも不憫な扱いであるしアイマスのPのようにある種オタクが自身の姿を多少なりとも重ねる主人公格の扱いとしてはあまりにもセオリーから外れているしWUGのダメな部分だと憤慨していた。しかし「7人のアイドル」を集めることがWUGの物語構成上の彼の大仕事でありその後の物語は7人のアイドル自身の手で紡がれなければなかった。Wake Up, Girls!結成後は7人が社長や松田や、ライバルや、コンポーザーや、オタクなど、周りの人間次々に巻き込んでいくことで物語が進んでいく。特に物語の中核としてコンポーザーを巻き込んでいったのはWUGならではの手法だったと思う。7人のアイドルたちが自分たちで何がしたいのか何になりたいのかという動機や指向性(作家性)を大切にし、人々を巻き込んでいく、どこまでも泥臭く人間臭い群像劇。これこそがヤマカンが描きたかったアイドル像であるしWake Up, Girls!でしか描けなかった物語である。それを理解した時マネージャー松田の役割にようやく合点がついた。

自分がこういう"アイドルの作家性"というテーマにアホ程真剣なのは「アイカツスターズ !」というアイドルの作家性に迫り切った作品を敬愛しているからだし、最近推しているアイドルの解釈にアホ程真剣な推しvtuber(天秤ひなみ)の言によるとナナシスもアイドルの人間性にどこまでも迫っていく物語ということを聞いたので目下履修をはじめている次第である。

 

アイドル自身の作家性や頑張りが周りの人間を巻き込み逆境から大きな物語を作っていく……なんて出来すぎた物語は現実ではありそうにないアニメならではの話だけども、我々は去年そういうムーブメントを起こした上で、SSAで華々しく解散していった7人の声優アイドルユニットを目撃している。

ヤマカンはこの先も絶対自分が去った後のWake Up, Girls!を絶対認めない、というか自分なしで自身のアイドル像の理想に辿り着いてしまったからこそ絶対に認められない。好きの反対は無関心だけど、いつまでも増悪出来るってのは相当の特大感情だから。

I-1clubや秋元康と坂道グループのやり方を否定する意はまったくないし、それらには与えられた物語の中から一人一人の競争があり個々の物語を紡いでいこうと必死にもがくアイドルのエモが詰まっています。

(ユニゾンやシンクロを多用するアイドルグループって苦手なんですよ。だって歌割りやフォーメーションの一人一人の意味があまりないみたいじゃないですか)

だだ、僕はやはりアイドル自身の人間性や作家性が周りの人間を動かすだけの物語を紡いでいく。そういう原動力に関する話を見たいと思っていたからWake Up, Girls!に惹かれたんだろうな。

 

WUGメンそれぞれの作家性

作家性という言葉の解釈は自分の中でもはっきりしておらず難しいが個人的見解を簡単に述べると、

自分がそれを発さなければならないという"動機"が込められているか。行動原理の創作化、いわゆる創作衝動。うん、分かりづらい!

自分にしか歌えない歌、自分だからこそ意味のある表現。そういう事を考えて世に生み出される創作物や演目には全て作家性が込められていると思います。

ここでは主にわぐらぶ2017楽曲に絡めて説明します。

  • 吉岡茉祐の「てがみ」は亡くなった祖父に宛てた手紙がきっかけで作られた、"気持ちを素直に伝えられない、伝え方がわからない、恥ずかしい、今更言う必要ない…"大切な誰かに宛てた手紙に関する楽曲になっています。気持ちを伝えたかった大切な存在と伝えられなかった後悔があったからこそ生みだされた楽曲であり、こういう動機こそ作家性といえる。メンバーの中で執筆活動も盛んに行っていたまゆしぃは今でも舞台脚本を書いたり、これからもその作家性を誰よりも発揮していくのでしょう。
  • 山下七海青山吉能は自分の自身のことを実直に愚直に表現するタイプだ。前者実直な山下七海は自他共に認めざるを得ない生粋のアイドル性を備えた人物であり、自分の魅力が一番発揮されるのは自分が自然体でいられる場面。自分が生まれ育った徳島や大好きなうさぎのぬいぐるみなど自身のルーツについて素直なまま歌うことができる。後者愚直な青山吉能は自分の好きなものについて素直なままに歌える山下七海とは違い、自分の嫌いなものや弱みも赤裸々に歌う、痛みを伴う表現を選んだ。
  • 高木美佑はWUG解散後はDJとして活躍の場を広げ、そういうサブカルチャーの伝道師としての輝きを増している。DJイベントだけでなく、長野の飯田丘のイベントやバスケイベント等々、解散後一番個人の活動を広げているのが彼女だと思う。自分が好きなカルチャーの伝道師となる上で笑顔を増やし、憧れの桃井はるこ氏の様な存在に近づいていくのだろう。
  • 大学で哲学を専攻していた永野愛理はメンバーの誰よりも解散に対して達観していたように思えた。彼女がWUG結成5周年に掲げた自分のスローガン、 “Like a SAKURA.” 。いずれ散りゆくものだと知っているからこそ全力で咲き誇る刹那の魅力。そんな情緒を歌った「桜色クレッシェンド」は解散が迫るにつれて刺さりまくった。
  • 奥野香耶について語るのは一番難しいのだけど、ソロイベ2018やソロイベ曲を聴いていると分かるように、役者(アイドル)としての自分とありのままの自分自身との狭間で揺れる葛藤。人々が愛してくれるのはありのままの自分なのか、自身のアイドル性の部分だけなのか。芸能人とファンのある種虚構のような関係性について考えることが彼女のテーマであるように思えるし、これについては長くなるのでここでは説明出来ません。ただ一つ言っておきたいのは奥野香耶を偶像的に愛しているファンがいるとしたら痛い目に合うだろう。

 

ちなみに長年入手困難だったこれまでのソロ曲ですが、1月15日より「Wake Up, Girls!Solo Collection -7 Stars」として配信決定しています。みんな大好き田中秀和広川恵一も参加しているので是非聴いてみてください。

さて、ここまで溜めに溜めましたがここからようやく本題である田中美海の作家性についてです。

田中美海の作家性それは……

 

 

おそらくないのでしょう。

 

 

 

 

 

 

自撮りが苦手な田中美海の感性

田中美海はメンバーの中で唯一作家性を持っていなかった。少なくとも私は彼女のこれまでの活動の中からそういったものを見受けることが出来ませんでした。

はじめの方にも書いたがそもそもプロデュースされること・演じることが求められるアイドルや俳優にとって作家性というものは必要必須なものではないし、逆に他メンバーが異常だったということは強調しておきたい。

自分はfinal tour part3からのWUG現場参加者なので憶測やデータでしか語れないが、前述のソロイベ楽曲の制作以外にも個々の作家性が活かさされていた場面はとても多く、ソロイベ2018の奥野香耶(疑似恋愛シミュレーションを楽しんだ後のバッドエンド)が一番顕著だが、他にもfinal tourでの各担当回で地元である事を強調し演出に加えた青山、奥野、山下。自分が得意な事・好きな事を活かした高木、永野。それぞれの土地でその人だからこそ出来る特別演目を練り表現してきたというのはアイドルグループの1メンバーが担った仕事としてあまりにもレベルが高く、作家性や個性が込められていたと思います(パート3の大阪にて、あえて一歩引いてみんなのための公演にしたまゆしぃもね)。

そんなとんでもないメンバーに囲まれながらも田中美海が一貫していたのは、"自分がしたい表現"ではなく、より多くの皆から喜ばれる表現。"みんなのための自分"、"みんなが楽しめること"を念頭に彼女の企画のほとんどはカラオケ大会であったように思います。個人制作曲って"自分が抱えるテーマの結晶"みたいなところがあり、カラオケに代表される好きな曲のカバーとは根本的に質が異なります。

美海のソロイベ2017楽曲「狐草子」はアニメの挿入歌のような、ある種完成された好きなモチーフの世界観の表現にとどまっているし、ソロイベ2018楽曲「Trouble⁉ Travel」は曲調も片山みなみのキャラソンの延長線上にあるような、"みんなが明るく前を向いていける"ような楽しいイメージの曲であり、それは"みんなにとっての楽しさ"を優先する美海らしい曲なんだけども普遍的なテーマでもあり、美海だけにしか歌えない歌ではないと思うんです。(そういえばi☆Risさんが『Beyond the Bottom』をカバーしたいと言ってくれたけどこの曲だけはWake Up, Girls!として他の誰かに譲れなかった、というエモエピソードがありましたね)

その人にしか歌えない歌やその人の表現だからこそ意味があるもの。作家性ってそういうものだ。

※後日追記 配信開始に伴い「Trouble⁉ Travel」を聴き込んでみたのだがこれは凄い。確かにテーマ自体は普遍的なものといえるけどそれを超高難易度のキャラソン的な歌い方で表現出来るというのはやはり美海の独自性だといえるし、いつでも"みんなのため(みんなと一緒に)"に歌えるというのはある種の作家性といえるのかもしれない。歌詞やモチーフそれぞれ単体での作家性は薄くとも、歌唱技法やいつでも"みんなのために"という精神性も全て含めると、田中美海という表現者の作家性みたいなものが見えてくる気がします。

 

ところで話が飛びますが田中美海は自撮りが嫌いじゃないですか。昨秋まで美海が水曜日を担当していたA&G NEXT BREAKS FIVE STARSという番組の中で各曜日それぞれ自撮りを撮って一番良い出来を決めようみたいな企画があったとき、美海は自撮りが嫌過ぎて泣き出してしまう事件がありました。

アイドルや(美人)女性声優は呼吸をする様に自撮りを上げますがあれって自身の商品的価値を発信する立派な自己表現ですし、悪い例えだと自分語りが好きなしょーもなオタクが垂れ流すしょうもない自分語りも自己表現です。

美海は誰よりも空気の読める人物なので呼吸をする様に場を盛り上げたり、先輩に忖度してゲームで勝たせてあげたり、周りがヤベェ奴だとすっと引き下がったりと、あまりにも何でもこなしてみせるため軽率にイベントに招集され休みがありません。(2020年始、とうとうイベントの代役を立てるほど体調を大きく崩してしまいました。周りの大人もうちょっと考えてあげてください)

その一方好きなコンテンツに関しては限界オタク特有の低下した語彙力と早口で(青タイツのランサーに殺されてぇ…etc)捲し立てたり、自身の番組等でちょっといい話来ると軽率に泣いてしまったりと感情豊かだし、友人との写真や動画には自分から入ってきて面白いことするようなタイプ。なのですが、自撮りが嫌いなんです。

自撮りが嫌いというより自己表現が苦手あるいは好きではない。好きなコンテンツの話は無限に出来るけど自身の内面の話を自分から語らないタイプ。WUGメンの中でも声優としてのプロフェッショナルさはずば抜け出ていて、それは歌や演技の表現力だけでなくバラエティ番組でのメリハリ(女性声優番組特有のかわいいシチュエーション台詞をそつなくこなした後畜生めいたガッツポーズを決める)や、音を絶対に外さない絶対的に安定感のあるライブでのパフォーマンスなどはワグナーの中でも絶対的な信頼がありました。

冒頭でアイドルとプロデュースの話をしましたが、美海はバラエティやレコーディングの場面等々で製作陣の意図を誰よりも正確に汲み取り求められた仕事を遂行するプロフェッショナルです。プロデュースされコンセプトのはっきりした写真集や映像企画は確実にこなす。美海の番組は料理を作ったりパジャマパーティーだったりコンセプティブなものが多いのもその表れな気がします。そしてその反面自撮りの様に自分自身をセルフプロデュースする表現は苦手、田中美海の感性はそういうところにあります。

Wake Up, Girls!5周年記念の美海のスローガンである「Never give up」について、自分と他人を比べてどうこうはないけど、自分自身には負けたくない・妥協したくないと色々なメディアで発言していたかと思います。田中美海の誰とでも適切な距離感で接することが出来るフラットさってこういう所から来ているのではと思います。人ってどうしても自分と他人とを比べてしまうからこそ、相手に対して不満を持ったり悪口を吐き出してしまったりするのですが、美海の場合自分と他人を比べず、他人のことをすべからく自分と違う個性をもった人として尊重出来ているのではと思います。反面、自分にはどこまでも厳しく時には自己嫌悪に陥りながらも、絶対に自己研鑽を怠らず表現者としての鋭さを磨き続ける「Never give up」の化身とでもいいましょうか。えっ、田中美海って人間凄すぎません!?

そのくせ、仲のいいメンバーの前や趣味の話になると人間臭くアホっぽい面も多分に見せてくれるのが田中美海というキャラクターで、誰よりも優秀で誰よりも掴みどころのない人物とされつながらも、誰からも愛される由縁なのでしょう。

 

さて真面目な評論に。素人目ながら、演技でも歌でも喜怒哀楽がはっきりしているものに対するディレクションって難易度としては比較的易しいのかなと想像がつきますが、人間の感情には喜怒哀楽が複雑に絡み合ったものや感情がまったく読めない表現しなくちゃいけない場面もあってそういうものってめちくちゃ難しいじゃないですか。またキャラ付けがはっきりしているものと違いこれといった特徴のない凡人を魅力的に表現するなんてのもありえん難しいことなのです。同世代の黒沢ともよもそういう表現力が凄いですよね。

 

美海の場合芝居だけでなく歌の表現力が本当に特別だと思います。ゾンビランドサガの『To My Dearest』やCaligula-カリギュラ-の『ローレライ』とか、単純な喜怒哀楽に留まらない複雑なキャラクターの感情の歌唱表現としては群を抜いていると思います。その上でテンプレアイドル3人を演じ分けて歌うプリパラの『かりすま~とGIRL☆Yeah!』なんか当たり前の様に歌い分けていて、表現者としてちょっと意味わかんないレベルにいると思います(語彙)。

自分はWUGだと『言葉の結晶』が一番凄いと思っていますが、その中でも最後の一節前

"一粒 星が残った"

の、美海の、まったく感情想像出来ない冷たい歌い方が特に印象に残っていて、彼女にしか到達できない表現だと思っています。

 

田中美海が感情を吐き出した場所

ここまで田中美海の表現力をひたすら褒めてきましたが彼女にも唯一出来ない表現があって、それはライブの空気感の中から生まれるその場ならではの表現。ディレクションでは示されないライブならではの感情の爆発。吉岡茉祐青山吉能が客のボルテージに応じてライブ向けに歌い方を崩していくようなそんな感覚。

CD音源通りに歌うことやステージ上で絶対に失敗しないこと、それらはプロとして絶対的に正しいことだし100点満点の表現と言える。

でもステージの上で、プロが目指すべき100点満点から逸脱して、自由により熱くよりはちゃめちゃに振り切れていき自分だけの表現を確立させていく他のWUGメンの姿を見続けた美海が仙台公演のMCにて、

その場の感情や衝動をそのまま歌として表現することがどうしても出来なかった私だけど、ツアーファイナルの仙台公演では挑戦しようと思います。

みたいな意味の言葉を吐き出したという話を(仙台不参加だったので)在宅ながら聞いて泣いてしまった。自分の感性を吐き出すことだけが苦手だった美海の率直な気持ちを掬い取ることが出来たのが、Wake Up, Girls!のメンバーとワグナーと仙台という地だったというエピソードの意味に泣いてしまったし、Wake Up, Girls!ファイナルツアーで育まれた色んなエモの中でも特別なエピソードのひとつだと思う。

 

作家性のなかった田中美海はあまり自分語りをしないし自撮りは苦手でこれからも自分のTwitterアイコンを自分が正面に写っているのものにすることはないのだと思うけど、最近始まったノンスポンサーの番組「田中美海のかもん!みなはうす」では今までにないくらい自身の事を話したり、3次元アイドル(嵐の大野くん)の話をしたりとちょっと風向きが変わってきた感じがある。

美海自身も2019年はWUGが終わった後自分だけで頑張っていく年だった。そして2020年は私だから出来る事に挑戦したい年みたいな事を言っていた様に思う。

田中美海を知る上で面白いエピソードが先日の第二回放送内でありました。

アイドルや女性声優にありがちな生誕イベントについて、イメージでは主役が持て囃されるためのイベントだと思っていた。しかしそういうイベントにゲストで出演してみたところ、ファンは推しの色んな側面を近くで見れて幸せだし演者も沢山の人から祝われて楽しそうでとても幸せなイベントだった。こういうのなら私もやってみたい、と心境の変化があったようです。

まあ彼女の誕生日は1.22でこれから準備しても間に合わないのは明白で生誕祭は無理みたいですが、その日は「みなはうす」のOA日なので生放送して実況で盛り上がるとか(※深夜帯の番組)挑戦してみたいと。

自分にしか出来ない表現に挑戦したいという活力に満ちていたし、2020年はまた新たな田中美海がみられるのではという楽しみを胸に、「止まってなんかいられない」、そんな心待ちです。

最後になりますがみなちゃん、お体に気をつけて無理をせず2020年をやっていってくださいね。

アイカツスターズ!感謝祭「We are STARS」の意外な選曲「ハッピー☆パンチ」に関するクソデカ感情

アイカツスターズ!感謝祭「We are STARS」がどういうイベントだったのか振り返った時、熱心なアイカツおじさんはどうして「ハッピー☆パンチ」が昼夜両部で歌われたのだろうという話題に行き着く。

それをアイカツスターズ!感謝祭のセットリストを見ながら所感と共に考えていきたいと思う。

アイカツスターズ!感謝祭「We are STARS」昼公演 セットリスト

1.STARDOM!(full)せなりえみきかなななせ

2.POPCORN DREAMING♪. (full)せなりえみきかなななせ

3.ハッピー☆パンチ(short)せなみき

4.ドリームステージ(short)かなななせりえ

5.スタージェット(short)せな

6.We are STARS!!!!!(full)せなりえみきかなななせ

7.スタートライン!(full)せなりえ富田美憂朝井彩加

8.MUSIC of DREAM!!!(full)せなりえみきかなななせ

9.Bon Bon Voyage!(full)出演者全員

 

アイカツスターズ!感謝祭「We are STARS」夜公演 セットリスト

1.episode Solo(full)せなみきかな

2.裸足のルネサンス(full)りえななせ

3.ハッピー☆パンチ(short)せなみき

4.Summer Tears Diary(short)かな

5.スタージェット(short)せな

6.We are STARS!!!!!(full)せなりえみきかなななせ

7.スタートライン!(full)せなりえ富田美憂朝井彩加

8.MUSIC of DREAM!!!(full)せなりえみきかなななせ

9.Bon Bon Voyage!(full)出演者全員

これまでのアイカツスターズ !関連の主だった有銭ライブはハルナツ感謝祭、MF2017、AIKATSU☆STARS! スペシャルLIVE TOUR2018、アイカツ武道館、アイカツシリーズ5thフェスティバル、であってるかな。実はスターズ!に移ってから札幌とか金沢のライブイベントにも出演したことがあるけれど、コンテンツとしての公式ライブイベントはこれくらいでしょう。(自分が行かなかったライブのセトリは見ないようにしてるけど@JAM2017のセットリストを今更ちゃんとみて頭を抱えてしまった)(ラ○ティスの祭りはとりあえず存在しなかった体で進めます)

 

自分や周りのピンチケのように行けるライブ全部行ってきた層とは違ってアイカツスターズ!の曲を聴ける機会って多くはなかった。ハルナツ感謝祭はキャパが小さかったし、ツアーは5大都市周ったとはいえ東京公演はチケット入手難度高めだった。武道館は平日2daysという厳しめの日程、5thフェスはどんなイベントになるのか想像出来ず見送った人もいたでしょう。

だからこそ今回は武道館やツアーの補完的な意味合いが見受けられた。武道館で歌えなかったPOPCORN DREAMING♪やドリームステージがそうだし、episode Soloに関しては両日歌ったもののDメロを省いた特殊(middle)構成だった。アイカツ武道館は2日間あったとはいえ、どうやっても全員が100%納得出来る選曲は不可能という苦渋の選択の中で練りに練られた最善のセトリだったと納得しているけど、一番の不満があるとすればDメロなしのエピソロはやはりありえない。何をどう削ってもそこだけは駄目でしょ。僕は武道館に「by myself 」を置き忘れたままだと言ってきた。だからこそ夜公演の初手エピソロのfullが確定した時は発狂してしまった。

またツアー2018では披露できなかった成長した虹野ゆめ(堀越せな)によるスタージェットや紳士淑女チケットが唯一実施されなかったツアー東京ファミリー公演でのみ披露されたレイ・リリィ(りえ・ななせ)の裸足のルネサンスshort verをfullで補完するという、ありえんわかりみに溢れるセトリにただ「臼倉竜太郎ッ!!」(音楽プロデューサー)と叫ぶことしか出来なかった。叫んでません。

(佐藤監督が最初に登壇された時「てるおーッ‼︎」とは叫んだ)

 

どうして「ハッピー☆パンチ」が選ばれたか

さて、ようやくハッピー☆パンチである。

熱心なアイカツスターズ!ファンほどハッピー☆パンチが一番意外な選曲だったように思う。個人的に勝手にHalloween Night Magicを警戒していたけど、限られた曲数の中で伏兵的なハッピー☆パンチが昼夜両部で披露されたという事実には明確な理由が必要だ。

ハッピー☆パンチでなければならかった理由、……それはアイカツスターズ!という作品が有するテーマであり感謝祭のタイトルにもなった「We are STARS」という言葉の意味に尽きると思う。そういうテーマを表す言葉として個人的に一番しっくり来たのはアイカツスターズ!96話のタイトルになった「みんなで輝く」だ。

アイカツスターズ!のストーリーにおいてミューズは孤独だ。デザイナーとアイドルの二人三脚が特徴だったアイカツ無印とは違い、衣装も楽曲も自分がどのようなアイドルになりたいかという原動力も、最後には全て自分で見つけなくてはならない孤独な闘い。そしてそういう境地を極めたエルザ フォルテ(または白銀リリィ)というアイドル。

しかし「みんなで輝く」を体現し続けた虹野ゆめは「孤独な太陽」エルザ フォルテを飛び越えた。絶対的な完璧さではなくみんなだからこそ出来ることの可能性を信じ続ける、そんな「みんなで輝く」ための歌がアイカツスターズ!感謝祭で選ばれた。アニメが完結した後に「We are STARS!!!!!」という「jewel star friendship☆」と並ぶアイカツスターズ!を体現した楽曲が生まれ、アイカツスターズ!感謝祭というイベントが生まれたことは奇跡であると同時に演者やスタッフ、ファンも含めた関係者みんなで輝き続けた成果でもあるのでしょう。

話が大きくなったがハッピー☆パンチの選曲に込められた想いはそれほど壮大ではないにしろ、大切な意味があると思う。ハッピー☆パンチは星のツバサ編の初期に実装された曲でアニメではゆめ・あこが歌っているがDCD版ではエルザ フォルテとゆめが歌っており、その頃から四ツ星とヴィーナスアークを繋ぐ歌になっていた。当時のアニメのストーリー上ではありえなかったエルザとゆめが楽しくポップなステージで互いに輝くという虚構と願いが込められていたのかもしれない。

歌唱担当の都合があったとはいえ、ここまで書いてきた選曲テーマを踏まえると「Forever Dream」や「The only sun light」は選ばれない。同様に「Dreaming bird」や「荒野の奇跡」が選ばれなかった理由にも納得出来る。孤高のアイカツを極めたエルザ フォルテと白銀リリィだが、アニメでエルザ フォルテが笑顔で輝くための最後のピースになったのはヴィーナスアークの4人で歌う「Bon Bon Voyage!」。リリィにとってはゆずと歌う「アニマルカーニバル」という、みんなで輝くための歌だった。今回ソロで歌われた「Summer Tears Diary」も香澄姉妹の絆が込められた歌だ。

アニメが完結した今エルザ フォルテの歌唱担当りさ(相沢梨紗)さんがこのようなイベントに参加されることは特に難しいのだろうけど、そんなりささんがツアーで(せな・みき・りさ)歌った「ハッピー☆パンチ」という選曲にはこのイベントに参加できなかった「みんな」への想いも込められていたのでは。限られた曲数と出演者の中で最大限アイカツスターズ!という作品を考え抜いた時「みんなで輝く」ための楽曲がこんなにも歌われたのでは。というちょっと強引な特大感情をイベント翌日自宅にてモヤモヤと考えていました。ライブのセットリストって色々な意味や想いが込められているはずなので、どういう意味があったのか想像すること自体が楽しいですし自分の中で何か大切な意味が見つかるかもしれません。ご静聴ありがとうございました。

 

アイカツスターズ!で「友達が出来ましたわ」

アイカツシリーズ5thフェスティバル2day最後の挨拶で諸星すみれさんが客席で見守っていた母に贈った言葉。

「お母さん、産んでくれてありがとう」

これを聴いた時にアイカツって人生だなって本気で思いました。諸星さんや他出演者やスタッフさんが人生を頑張ったからこそアイカツという作品が生まれその風はやがて5thフェスというセンセーションを起こし、アイカツ愛する人による最高のアイカツが生まれた。だからその日は「アイカツってやっぱ人生なんだわ」と泣いた。そんな異常な熱量と愛に包まれたイベントだった。

 

アイカツスターズ!感謝祭もどう思い返してみてもやはり異常な熱量と愛に溢れたイベントだった。ライブの間奏中も無限に高まり続ける客席の異常な熱気に、呼応されるようにキレを増し続ける歌唱担当のパフォーマンス。なにより最後の登壇者挨拶はまさに大感情爆発大会だった。

「夢は見るものじゃない 叶えるものだよ」という歌詞にいつも支えられてきた。キャラクター・声優・歌唱担当・スタッフ皆が同じ方向を向いていたからここまで愛に溢れる作品になった。アイカツスターズ!で叶った夢が沢山あるけどまだまだアイカツスターズ!で叶えたい新しい夢があるんだとそれぞれの夢を語った。

その中でも早乙女あこ役の声優 村上奈津実さんの挨拶が一番印象に残っている。

アイカツスターズ !がはじめての出演作だった村上さんにとってかけがえのない作品であること。そしてこの作品を通して、

「私、お友達が出来ました」

 

多分、これは役者というプロフェッショナルとしての模範解答ではないのだろう。でもこの率直すぎる言葉が一番心に響いたしそういう言葉を引き出した会場の雰囲気があたたかかった。なにより早乙女あこが言いそうな台詞そのものだったので泣いた。アイカツスターズ!が大切な作品になっただけでなく、アイカツスターズ!でかけがえのない友を得ることが出来た。そんなん人生じゃん。

トークパートにて声優陣全員率いてだるまさんがころんだを本気で遊んだり(しかも長尺)、M4(−1)に対する辛辣な塩対応など、どこまでもはっちゃけて歯止めの効かなかった日笠陽子が最後の挨拶でこの作品や関わるみんなが本当に大好きなんだと。5thの時にスターズ!のイベントをやりたいと言ったら本当に叶った。まだまだアイカツスターズ!で叶えたいことがいっぱいあると最大の愛を伝えてくれた。

宮本侑芽さん(だったかな?)、スターズ!の現場の雰囲気について親戚みたいな関係。久しぶりに集まっても変わらない。また、山口愛さんとは20年来の付き合い(共に劇団ひまわり所属)だけどはじめて共演して沢山お話をする事ができた。

前田佳織里さんは「仕事なんだけど現場に来ること自体が癒しになるような特別な現場であり私の原点」と。

元々一般のアイカツファンだったという立場から夢を叶え声優になった江口菜子さんは、「私、このステージに演者として立たって、はじめて知ることが出来たものがあります。ステージ前に精神を集中させている歌唱担当さん真剣な姿や、ブーツの無数の細かい傷から伝わる練習量。こういうことをもっとファンの皆さんにも伝えていきたい」と、ステージ裏の熱量まで伝えてくれた。

りえ(藤城リエ)は言葉が途切れ途切れになるみき(未来みき)を隣で優しく見守りながら自分の番になると空気をスパッと切り替えるように明瞭な口調で感謝を述べ、そして誰も触れていなかった、「(今日はここにいなかった)るかさん・みほちゃんともまた歌いたい」と最高にカッコいい台詞を簡単に言ってのけてしまったので、やっぱりアイカツの藤城リエは最強なんだよなと特大感情になった。

汗と涙のダブルビームで顔がヤバかったみたいな話を普段の中の人トーンで喋ってしまい若干スベったせな(堀越せな)は直後に、「実は練習中は大丈夫だったんですけど本番前にS4衣装用のブーツの踵が壊れてしまって…そしたら神スタッフさんが(本日不在の)るかさんの衣装も準備していて!右足はるかさん、左足はななせちゃんのブーツを履いてステージに上がったんです」と、ありえん感情エピソード大賞を披露して優勝してしまった。

アイカツスターズ!のイベントをまたやりたいという皆の熱意をまとめるように最後の挨拶となった富田美憂さんは、アイカツスターズ!の、「音楽」イベントを絶対にやりましょう!と皆の想いを代弁するように高らかに宣言してくれて、あぁ…ありがとうの生まれる光…

またイベントがやりたいですってのはアニメのイベントでは定番で、特によくあるのは皆さんの応援で二期が決定したら是非やりましょうみたいものだけど、この日例えばアイカツスターズ!OVAを作って欲しい、新曲を作って欲しいというような話は全然でなかった。(監督M4の新曲お願いします!とのいうのだけはあった)

 

アイカツオンパレード !に若干触れることはあっても皆が口々に言うのはアイカツスターズ !でまだまだ叶えたい夢が沢山あるということ。完結したことを皆が受け止めた上で、これまでのアイカツスターズ!で育まれたものの中からまだまだ大きな夢を見ることが出来る。5thに参加できなかった朝井彩加さんが念願の「りえ嬢」とスタートライン!を歌うことが出来たように、キャストさんが自分のキャラクターを一緒に作り上げてくれた歌唱担当さんと一緒に歌いたいと言ってくれた。これってアイカツなんですよ。アニメの最終回のように何事にも区切りは訪れるけど、それで何かを失った訳ではなくまた新しい夢を叶えるための第一歩を踏み出していける。

僕はアイカツスターズ!が世界で一番好きな作品だと言い続けてきたけど、正直アイカツ無印には人気やファンの熱量では絶対に勝てないのかなと、コンプレックスのようなものさえ感じていた。

でもこの日ステージにいた全ての演者と佐藤監督、そして熱い観客に、アイカツスターズ!が好きで好きで仕方ない人がこんなにいたんだと初めて実感出来た気がして、それが何より嬉しかった。

 

サヨナラはいらない

ずっとずっと …アイカツ!

未来もその先も

ずっとずっと…トモダチ!

さぁ、せーので

次のステージへと行こう…行こう!

 

アイカツスターズ !感謝祭「We are STARS」は僕らが本当のSTARS!!!!!になった記念日でありスタートライン!だ。

来年の今頃 どんな 景色みつめてる?

どこまで行けるか、なんてどこまで行ってみたいか次第でしょ