→NOT ODAYAKA!

アレはおだやかじゃなかったわね〜

「Wake Up, Girls!」という物語を語り継ぐために

開場アナウンスが終わり一曲目のイントロが流れてくる。はじまりのコールが世界一カッコいいあの曲だ。

Wake Up, Girls!!!」

 

コールと呼ぶにはあまりにも激しい、怒声とも悲鳴ともいえる叫びと共に火花が上がり、さいたまスーパーアリーナに7人のアイドルが現れた。

Wake Up! この祈りよ届け

今夢に向かうよ両手伸ばして

Stand Up! 迷いなく走り出そう

この世界で生きるために 君と共に my only one.

これから僕が語るのは僕とWake Up, Girls!という7人のアイドルの物語であり、未だ見ぬ誰かへと向けた祈りだ。

永野愛理は語った。今は届かなくても絵画や音楽のように残り続け、この先の誰かに届いて欲しいと。

皆さんがその心の火を灯し続ける限り、
WUGは生き続けていくと思います。
今気付かれなくてもいい。
絵画や音楽のように。
5年でも10年でも20年先になっても、
WUGってすごいグループだったと。

WUGという人生は幕を閉じましたが、
音楽や歴史はこれからも生きています。
これからも誰かの心にWUGの音楽が刺さって
生き続けていきますように。

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「アイドルは物語」というテーマも色々な人が語ってきた。ANIMAXWake Up, Girls!ファイナル密着のドキュメントでも吉岡茉祐が、

「WUGって物語じゃないですか。誰かの心の中に生き続けられれば物語は進んでいく、更新されていくと思うので」と、自信に満ちた笑みを浮かべていた。ドキュメンタリーはこの日SSAに足を運んだ1万3000人通りの物語があると語る。

この7人のアイドルの最後の物語には1万3000人分の視点があるし参加できなかった人にとっての物語もある。これから彼女たちを知っていく人の物語もあるのだろう。物語はこれからも増えていく。

 祈りは言葉でできている。言葉というものは全てをつくる。言葉はまさしく神で、奇跡を起こす。過去に起こり、全て終わったことについて、僕達が祈り、願い、希望を持つことも、言葉を用いるゆえに可能になる。過去について祈るとき、言葉は物語になる。

 人はいろいろな理由で物語を書く。いろいろなことがあって、いろいろなことを祈る。そして時に小説という形で祈る。この祈りこそが奇跡を起こし、過去について希望を煌めかせる。ひょっとしたら、その願いを実現させることだってできる。物語や小説の中でなら。

舞城王太郎好き好き大好き超愛してる』冒頭文

 

東日本大震災をきっかけに生まれた「Wake Up, Girls!」という声優ユニットは「海そしてシャッター通り」のように既に過ぎ去ってしまったことについても祈り歌ってきた。そんな祈りと共に活動を終了した「Wake Up, Girls!」という最強の声優ユニットを語り継ぐために、自分の物語を語ろうというのが今回の試みだ。

そう、これは僕にとっての想い出のパレード…

 

《ここまでモノローグ風に格好つけてお送りしてきたので照れ隠しのおつよぴぴ!ぶひぃ拙者まゆしぃすこすこ侍でござる。てぇてぇ。結婚してくれ。でゅふふ》

 

はじめて仙台に行った

2018年1月6日、最高のアイドルグループのツアー初日宮城公演のため僕は初めて仙台に訪れていた。思ったより寒くないな…というのが仙台空港に降り立った時の率直な感想だった。厳しい寒さとどんよりした空気。勝手に想像していた東北へのイメージと違ったカラッとした空気と吹き抜けるさわやかな風。僕が住んでいる関西の盆地の方がよっぽどどんよりとして厳しい寒さだと思った。イズミティー21ホールまでの移動の間何もかもが乱雑な大都会や何もない田舎とは違い人が多すぎず少なすぎず、初めて訪れた僕にとってもどこか安心することが出来る。仙台はそんな街だった。

目的のライブは予想を遥かに超える最高のライブに終わった。ライブ後の打ち上げは宮城の料理とはまったく関係ないチェーン店だったけど最高の気分でお酒を飲んでいた。するとその中の一人がライブ前の時間「Wake Up, Girls!」の聖地巡礼をしていたと言っていた。

「そうなんですか〜」と流しつつ内心今だそんな人がいるのかと驚いていた。「Wake Up, Girls!」は既に過去のアニメだと思っていたし、丁度その頃WUG新章が放映されていたことや同名の声優ユニットの現状についてまったく知らなかったし興味がわかなかった。

翌日仙台駅のペデストリアンデッキを練り歩いたり、たまたまWUG聖地の一つである末廣ラーメン本舗仙台駅前分店で昼食を食べるなどしていたのだけど、僕が「Wake Up, Girls!」を思い出したのはそれから約半年後の話だ。

別に半年後劇的な事があったわけじゃない。単に推しの一人の、舞台「Wake Up, Girls! 青葉の軌跡」出演が決まったというだけで、「へーそうなんだー堀越すごいじゃん」と小学生並みの感想を抱いたものの遠征して観に行くほどのモチベーションは皆無だった。

それは6月15日Wake Up, Girls!の解散発表が流れてきた時もそうで、僕が彼女たちに興味を持つのはそのタイミングではなかった。無数に存在するエンタメの数々の中から思いがけない出会いをすることはとても難しい。すべては巡り合わせでタイミングよく目と目が合った時はじめて、その世界を見つけることが出来るんだ。

 

キラッとスタート

中野サンプラザはアイドルの聖地だ。数多くのアイドルグループがワンマン開催を目指し、ライブを成功させることが出来たらなら武道館への扉が開く登竜門でもある。上記で仙台に行った理由のアイドルグループ(コンテンツ)の初ワンマンの思い出の場所でもある。2018年9月29日、近くの某有名豚骨ラーメンチェーンで昼食を済ませた後、僕はキラッとした熱気に包まれる会場に入ったぷり。

その日のステージには田中美海山下七海がいたのだけど正直ほとんど覚えていない。ノンシュガー結成前後の某アニメの展開が個人的には全然面白くなくてしばらくそのアニメを見るのをやめていた。だからノンシュガーの既存曲や新曲が披露されている間の会場の熱狂的なボルテージの間、僕は一人冷えていた。覚えていることといえば、夜公演のノンシュガーによる物販紹介コーナーは田中美海がほぼ一人でまわしていて、この子はしゃべりが上手だなぁと感心したのと同時に他の二人は何をしているのかなと思ったこと。田中・山下の名前は何となく覚えがあったので連番者に「ノンシュガーって全員WUGなんだっけ」と間抜けな質問をしたことを覚えている。

それよりもなにより、林鼓子ちゃんを中心にした「Run Girls, Run!」のパフォーマンスがあまりにも素晴らしく感心してしまったので気付いたら数日後Run Girls, Run!1stツアー大阪公演のチケットを握っていた。結果的にこれもWake Up, Girls!との出会いにつながる。

 

スキ タカギ ナイト

10月20日の深夜未明。その日は何故かまったく寝る気起こらずなんとなくTLで話題になっていたアニクラ秋葉原MOGRAでやっていたアニソンインデックスの配信をみていた。

近年たいしてアニメを見漁っているわけではないので、知らない曲やなんとなく知ってるくらいの曲が多かったのだけど、自分が深夜のテンションだったのと会場のオタクのノリがよくて心地よい空間がそこにあった。そんな中特別ゲスト枠で登場したDJ高木美佑。はっきりいって知らんし誰だよと思った。せっかくいい感じにノッていたのに、大切なDJプレイの枠をこんな素人じみた子のために使っていいのかとすら思っていた。

しかし蓋を開けてみればI'veサウンド大好き声優を名乗る彼女のDJプレイは素晴らしかった。特別I'veサウンドに造詣が深い訳ではないがアニクラ栄えするゴリゴリのI'veサウンド中心に(しかもいい感じに古め)畳み掛けてくる彼女に対して、内心この子何才だよ⁉︎と思いながら高まっていた。

そして最後の曲「タチアガレ!」。この曲は僕も知っている。昔、劇場版「七人のアイドル」とTVアニメ版「Wake Up, Girls!」は見ていたのだ。そして当時劇中でいいなと思った曲は多分この曲だけだった。

湧き上がるフロアと懐かしいメロディ。

Wake Up! の半拍子後にオタクが跳ねる。

2chやまとめブログでクソみたい叩かれ貶められていた「Wake Up, Girls!」をヘラヘラ眺めていた側の人間であり以降は興味をなくしていた僕にとって、数年ぶりに聴いたこの曲が理由はわからないけど無性に刺り涙が溢れそうになった。

多分この夜が僕が「Wake Up, Girls!」を見つけた原体験なんだと思う。

数日後、続・劇場版「Wake Up, Girls! Beyond the Bottom」を観て泣いた。

 

想い出のパレード

Wake Up, Girls!にハマってからSSAに至るまでの話は大体ブログに書いてきた。あの監督の作家性について、WUGライブの特質性について、そしてSSAに至るワグナーの軌跡について。

odayakana.hatenablog.com

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 《この記事のはじまりは↑記事との繋がりを意識しているものである》

 

 

SSAではじめてWake Up, Girls!をみたあなたへ

SSAではじめてWake Up, Girls!をみたあなた、あるいは他界したりなんやらでWake Up, Girls!SSAで久しぶりにみたあなたへのマウントをとっていく。まあ僕も新参なのだけど。

SSAは「Wake Up, Girls!」という物語の終着点としてこれ以上はない最高の舞台だったわけだが過去最大の舞台だからといって、これまでのライブのベストに挙げるワグナーはあまりいないと思う。少なくとも個々の楽曲のパフォーマンスに対するベストアクトはワグナー各位それぞれ無数に挙げられるだろう。

過去最大規模の大掛かりな演出が可能な反面、彼女たちの繊細さや客席まで利用するファンとの距離感、空気感、質感。それらを生かしたのは地方のホールやファンクラブの小規模イベントだったのだと思う。

多分そういうのはツアーファイナル仙台で極まってしまったし、なによりメンバーが何度もエクストラステージと繰り返していたように、SSA公演はあくまで外伝的な位置付けのステージだった。

僕がツアーファイナル仙台に行けなかったことは多分ずっと後悔として残るが、part3の大阪→長野→愛知と公演を経るごとにワグナーの熱気とWUGのパフォーマンスが研ぎ澄まされ異様な一体感を生んでいく過程を体験することが出来たのは一生の思い出だ。

よぴぴの投げたチョコレートが僕の左手をかすめていったこと。まゆちゃんが手を伸ばせば届く距離で地下鉄ラビリンスを歌ったこと。

「海そしてシャッター通り」「言葉の結晶」「土曜日のフライト」「さようならのパレード」4曲とも地方のホール演出で体験できたこと。

なによりpart3大阪3日目開幕の「少女交響曲」の確定SSR衣装ガチャで、幕が上がった瞬間少女交響曲衣装だった時の興奮が忘れられない。

この記事の目的の一つはSSAの円盤がバカ売れすることだけど、それと同じくらい過去のツアーや映像コンテンツにも興味を持ってもらいたい。見たら絶対後悔するから。そして僕自身も後悔というクソデカ感情を大切にしていきたい。

 

 

物語を語り継ぐために

何かについて語る時、人はどうしても自分語りをしてしまう。伝えたい対象があったとしても自意識の垂れ流しになってしまい上手く伝えられない。

人は残したい感情がある時こそ、きっと音楽を作ったり小説を書いたりする。自分も出来ればそうしたいところだけど、凡庸なりに140字なんかでは伝えられないクソデカ感情をブログにまとめてきた。

結局自分語りだし自意識の垂れ流しですよ。でもクソデカ感情に名前をつけて理論武装し、伝えたいテーマへと繋げながら自分の物語としてより面白く、読み聞かせやすく工夫してきたつもりだ。

そしてそういう運用を強く意識し始めたのは作秋アニメ「Wake Up, Girls!」をみてアイドルや物語について改めて意識し、自分がどういう人間なのか考えたから。

あの監督の自意識は控えめに言って我慢ならないレベルで破綻してるけど、彼が映像作家として伝えようとしたものはいつまでも自分の中に残り続けると思う。

 

そしてアニメだけでなく声優ユニットの「Wake Up, Girls!」も偶像としてのアイドルに留まらない感情をや生き様を伝えてきてくれた。

「忘れないで」っていう強い感情も時の流れとともに薄れていってしまう。

けれどもWUGは例えば、「忘れないで でも上手に忘れて」という歌詞と共に言葉を結晶にして残した。物語を残してきた。忘れられないよ。

WUGと一緒にまわった地方を訪れるたびに。土曜日のフライトをするたびに「Wake Up, Girls!」のことを思い出すだろう。

 

だからこれからも誰かに向けてWUGの物語を語り続けていくんだと思う。感情は物語にすればきっと残り続けるから。

終わらないよ ボクらDreamer